「フードバンク」を知っていますか? 実際にボランティア活動をしてみると
皆さんは「フードバンク」という活動を知っていますか? フードバンクはヨーロッパで1984年に設立され、日本では2000年以降に活動が始まりました。フードバンクとは「食料銀行」という意味で、社会福祉活動として全国に広がっています。
■フードバンクとは
フードバンクとは、流通に出すことができないなどの理由で、安全に食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品の寄付を受け、支援を必要とする家庭や福祉施設等に無償で提供する団体や活動のことをいいます。
廃棄されてしまう食品はさまざまで、家庭から出る缶詰やレトルト食品、企業から出る大量の食品が含まれます。処分予定の食品を活用することで、寄付をする側は食品ロスや廃棄コストの削減につなげることができます。
一方で、寄付を受ける側は、母子家庭やNPOの福祉施設など、支援が必要な家庭や団体が対象となります。フードバンクの食料寄付は貧困問題の改善策のひとつとなっています。
■利用方法・扱っている食品について
フードバンクを利用したい場合は、インターネットで「フードバンク お住まいの都道府県名」などで検索すれば出てきます。また、市役所などの自治体や生協などで活動している地域もありますので、興味がある方は調べてみてください。
フードバンクで扱っている食品は、レトルト食品やお米などさまざまですが、生鮮食品やアルコール類などは取り扱っていません。また賞味期限など各団体によって寄付の条件が少し異なります。利用される場合は、自身の地域にあるフードバンクの公式サイトから詳しい情報を得るか問い合わせ先へ連絡をしてみてください。
■実際にボランティア活動した感想
取材を受けてくれた友人のTさん(神奈川県在住・40代・会社員)は、「フードバンクかながわ」のボランティア活動に参加したそうです。
フードバンクかながわでは、いろいろな寄付品が企業や家庭から届けられています。
その寄付品を手作業で1つずつ、賞味期限をチェックし、加工品や調味料などをカテゴリー別に分けていました。お米は精米し直して、こちらも手作業でパッケージに詰めていました。ほとんど手作業だったので、仕分けがとても大変だったそうです。
そして、寄付品がどこからの寄付で、どこへ届けられるのかバーコードでしっかりと管理されていました。
フードバンクの活動はとても素敵なことだと思ったTさんでしたが、内部での仕分け作業の手間に加え、それらのすべてが無償のボランティア活動のため継続していくことは容易ではない大変な活動なんだなと実感したそうです。
食品ロス・廃棄コストの削減・貧困問題などに関わっているフードバンク。素晴らしい活動なので、もっと全国に広がってほしい、継続してほしいと願うばかりです。
(まいどなニュース特約・島田 志麻)