トラの名画になったわが家のネコに飼い主さんメロメロに ネコ様用顔ハメが楽しすぎる 京都・福田美術館
あなたの愛猫が応挙の名画に? 円山応挙「虎図 」を使ったネコ様用顔はめパネルやチラシがSNSで話題です。勇ましい虎になり切るネコ様にメロメロになる飼い主さんが続出し、4万近いいいねを集めたツイートも。遊び心ある試みについて美術館に聞きました。
福田美術館(京都市左京区)で開催中の展覧会「トラ時々ネコ 干支セトラ」(2022年4月10日まで)に合わせたもので、エントランスにお散歩ネコ様向けの「ネコ様用顔はめパネル」が設置されています。原則リードなどをつけたお散歩ネコの利用を想定したものです。またおうち派のネコ様には、自宅で工作して楽しめる紙バージョンを配布しています。チラシは同館ホームページからダウンロードできます。
円山応挙「虎図 」は同館の所蔵作品。応挙(1733-95)は江戸時代後期に京都で活躍した天才絵師で、金毘羅宮(香川県)の襖絵の水飲みの虎図、足のない幽霊の先駆けとも言われる谷中全生庵(東京都)の幽霊図、国宝「雪松図屏風」など、応挙が遺した名品を挙げればきりがありません。担当者に聞きました。
■江戸期の画家が描いたネコトラ
ー「トラ時々ネコ」について
「『トラ時々ネコ 干支セトラ』は寅年にちなんでトラの絵を中心に干支の作品をご紹介しています。また2022年はニャーニャーニャーということで、ネコの絵もトラに混じって『時々』展示しています」
ー描かれたトラは猛々しくもどこか愛きょうがあります
「江戸時代、まだトラの実物を見たことがない画家は、輸入された絵画や毛皮、そしてネコを参考に想像して描きました。その結果、どこかネコらしい『ネコトラ』が描かれます。江戸期に描かれた想像上のトラと、近代以降に写生されて描かれたトラの違いが、当展覧会の見どころの一つです」
ー顔はめのパネル、チラシの狙いを
「コロナ禍のためなかなか集客イベントの開催が難しい中、展覧会の見どころを理解いただき、SNSで楽しめる参加型イベントとなることを願って企画しました。人用の顔はめパネルじゃなくてネコ用のがあったら面白いな…と思ったのがきっかけです」
ーSNSではネコ好きさんに刺さっています
「現代アートの展覧会や世界的に有名な洋画の展覧会に比べて、少しハードルの高いイメージのある日本画ですが、アートに詳しくない方が来ていていただいても楽しめるように、というのが当館のコンセプトです。ネコ好きの皆さまが展覧会に興味を持っていただければ、本当にうれしい限りです」
■顔はめ画像に3万超のいいね
「円山応挙も猫も好きな私には堪らぬ!!」「ネコさん、なんとも勇ましい」「ナイスなアイディアです」などと4万近いいいねを集めたのはSEO YOKO(@xggPNNfk33O2sq7)さんの投稿です。週末、福田美術館を出かけ、持ち帰った顔はめチラシを雌6歳のノラ子さんに試しました。ノラ子さんがまったり落ち着いているところを見計らい息子さんにも手伝ってもらい撮影しましたが、何度も撮っているうち、最後は逃げ出してしまったとか。
「『トラ時々ネコ 干支セトラ』は展示されている絵も素晴らしかったですが、それぞれのキャプションがとても面白くて、このネコ様用顔はめチラシもそうですが、スタッフの方々のセンスが光ってました」と話しています。
展覧会「トラ時々ネコ 干支セトラ」は2022年4月10日まで。パネル、ちらしともに顔はめをして撮影した画像にハッシュタグ「#福田美術館」を付けてSNSに投稿すると、展覧会期間中に特典があります。なお、ペットを連れての入館はできません。
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福田美術館
住所:〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺佄ノ馬場町3-16
電話:075-863-0606
(まいどなニュース・竹内 章)