親が希望する「子どもに働いてほしい会社」ランキング1位は? 就職活動に親が関わった方が良いという意見も

新型コロナウイルスの感染拡大のなか、厳しい状況を受けて、内定を獲得できるのか不安に陥る就活生や、子どもの就活に心配を募らせる親も少なくありません。「就職活動に対する保護者の意識調査」を実施したところ、子どもが入社する企業に望むものとしては「経営が安定している」が最多に。働いてほしい業界の1位は「官公庁・公社・団体」、また、働いてほしい会社は「公務員」が1位となりました。

「株式会社マイナビ」が2022年1月に、「大学4年/大学院2年で今年(2021年度)就職活動を終えた、もしくは現在活動中」の子供を持つ保護者1000名を対象に実施した調査です。

「子どもが入社する企業に望むもの」を聞いたところ、最も多かった回答は「経営が安定している」で51.5%でした。また、「子どもに働いてほしい業界」は「官公庁・公社・団体」が1位に。「働いてほしい会社」は「公務員」が1位となり、子どもの就職先に対する保護者の安定志向が伺えたそうです。

※子どもに働いてほしい業界のポイント算出方法:1位~3位まで選択したものを、1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントとして総獲得ポイントを算出

※子どもに働いてほしい企業の集計方法:有効回答数530のうち上位を獲得票数順に表示、官公庁、地方自治体等はすべて公務員として集計

「保護者自身の就職活動と比べて子どもの就職活動をどのように思うか」を聞いたところ、「大変だと思う」「すごく大変だと思う」と回答した割合は67.4%に。世代別に比較すると、就職氷河期に就職活動を経験した世代では「大変だと思う」が53.1%で、バブル期に就職活動をした世代の71.5%より18.4ポイント低くなり、保護者が就職活動を行った時期によって、子どもの就職活動環境に対するとらえ方に違いがあることがわかったそうです。

「就職活動に対するサポート」について聞いたところ、どちらかというと「親側から自発的に行ったもの」で最も多かったのは「あまり気を遣わないような雰囲気や環境作り」で45.6%でした。「自宅でWEB面接を受験する際の配慮(スペースの確保、静かさの確保)」という回答は12.7%で、コロナ禍によりオンラインで面接を自宅で受ける学生が増えたことを背景に、新しいサポートの形が見られたそうです。

「子どもが内定を得ている企業から、保護者宛にどのような連絡があったか」と聞いたところ、「親・保護者へ内定受諾に関する確認の連絡(オヤカク)を受けた」という回答は49.9%と約半数に上りました。そのほか、「内定式・入社式への招待」(12.1%)、「保護者向け資料の送付」(9.6%)という回答もあり、学生への内定フォローだけでなく、保護者に向けたフォローを行う企業もあるようです。

最後に、保護者としての自身の経験を踏まえ、この春から就活をスタートさせる2023年卒学生の保護者に対してメッセージを募ったところ、以下のようなコメントが寄せられたそうです。

▽就職活動は先手必勝に近い。あっという間にエントリー期間が終了してしまうので、のんびりしているお子さんには親側も関わった方がいいと思う(息子/母親)

▽子どもを信じてほっといたが、大変なことになっていた。子どもが話さなくても進んで就活状況を聞くべきだった(息子/父親)

▽子ども任せにしないで親も一緒に就活するつもりで勉強して欲しいが意見を押し付けてはいけない(娘/母親)

▽子どもの話をよく聞いて、親が余計な口出しをしないこと。親の知っている優良企業の格付けは、30年古いと認識すべき(娘/母親)

▽私自身の頃と、就活に対する考え方や進め方が全く違い、子どもとのコミュニケーションが難しかった。なので、子どもと良く話をし、親は邪魔にならないように暖かく見守ることが一番の応援につながるのでは?と思った(息子/母親)

▽コロナ環境で就活が変わってきているので、保護者も情報収集などが必要です(娘/母親)

   ◇   ◇

調査を行った同社では、「保護者の就職活動当時の経験や価値観によっては、子どもの活動の進捗が良く見えたり悪く見えたりするかもしれませんが、保護者側が環境・価値観の違いを受け入れて、理解することが必要」と説明。「そのためには、現在の就職活動に対する情報収集をしたり、子どもとのコミュニケーションをとり理解を深めながら、就職活動のサポートを行うことが重要だと考えます」と述べています。 

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