行方不明の子猫が3カ月ぶりに奇跡の生還 4キロ離れた地域猫の餌やり場で、虫を追いかけ遊んでいた!

2月7日、行方不明だった飼い猫と3カ月ぶりに再会できたことをツイッターで報告した「qush」(@qush58sabi)さん。そんな飼い主さんの喜びの報告に「おかえりなさいっ!!!」「良かったですね」「自分のことのように嬉しくて…涙が出そうです」などとたくさんのコメントが寄せられました。

見つかったのは、サビ猫のクッシュちゃんといいます。現在は生後9カ月の女の子です。クッシュちゃんがいなくなったのは生後6カ月のとき。自宅(静岡県沼津市)から3.8キロ先で見つかりました。けがや感染症などもなく健康だったそうです。

とはいえ、いなくなってから3カ月目に入った際には半ば諦めかけていたという飼い主さん。3カ月間、クッシュちゃんを見つけるために行動したことや見つかったときのことなどを聞きました。

■バッグの中から降りて逃走した子猫・・・直後は警察などに届け出た

--3カ月ぶりにおうちに戻られたというクッシュちゃん。どのようにいなくなってしまったのでしょうか?

「病院帰りにクッシュをバッグの中に入れて自宅の玄関ドアを開けようとしたらバッグから降りてしまって・・・逃げてしまいました。必死に追い掛けましたが、見失ってしまったんです」

--いなくなった直後の行動についてもお聞かせください。

「自分は仕事中でしたが午前中であがらせてもらい、周囲を夜までしきりに探しましたが見つからず・・・警察、保健所、市役所にも届け出ました。次の日にはチラシとポスターを制作し、動物病院にポスターを貼らせてもらい、チラシは近所の家にポスティングして。SNSでもInstagram、Twitter、ジモティーなどで情報拡散を呼び掛けました」

--チラシはどれくらい配りましたか。

「チラシは500枚ほどを周囲約1キロくらいの範囲に撒き、猫が集まる付近の家にもポスティングしました」

--いなくなって1カ月目。必死に探されたとのことですが。

「1カ月目は毎日毎日朝仕事前と仕事帰りに好きなご飯とおもちゃを持ち周囲を探しました。自宅の周囲に餌を設置したりして。帰りを願っていましたね」

--2カ月目に入ってからは?

「明確な目撃情報もなく、不安な毎日が続いてとても落ち込みました。小さな情報もありましたが猫違いでした。また、ネットで調べたら野良猫や地域猫ちゃんに『探して』とお願いしたら帰ってきたというエピソードを見つけ、自分も毎日地域猫ちゃんに餌をやりお願いしてみました。心が折れそうにはなりましたが、そのときは諦めずに頑張ったんです」

■旅館の人から連絡「ポスターと似たような子が近くの餌やり場に来ている」

--そして3カ月経ち、ついにクッシュちゃんを発見! 発見されたときの状況をお聞かせください。

「正直3カ月目に入ったときは諦めかけていて、見切りをつけなければいけないなと思っていました。もう会えないかもそう思っていた矢先、仕事中に電話が鳴って。静浦の方にある旅館の方からでした。自宅から3.8キロ離れた場所です。『ポスターと似たような子が2、3カ月前から近くの餌やり場に来ている』と言われ、写真を送ってもらいクッシュだと確信しました。

すぐに現場に向かい、夜だったので辺りは暗かったのですが。30分くらい探し、明日の朝にまた餌の時間に来ようと思っていたら、目の前の草むらで虫を追い掛けて遊んでいるクッシュがいたんです! 私たちの心境とは異なり、かなりほのぼの平和感がありました(笑)。それに、以前よりも倍くらいでかくなっていてびっくりしました。名前を呼ぶとすぐに近づいてきてくれて、再会を果たすことができました」

--再会を果たし、帰宅されてからは?

「その日は遅かったのでシャンプーと餌をあげ、トイレを思い出してもらったりと家に慣れてもらうように心がけました。全て上手にできて成長を感じましたね。次の日は病院へ。特に異常はなく健康とのことで驚きながら一安心でした。食欲もあり、よく寝てくれて。それに、はしゃぎながらおもちゃで遊んでくれました」

■元気な姿で見つかった子猫 近所の人や動物ボランティア団体、SNSで拡散してくれた皆さんのご協力に感謝

--クッシュちゃんは体も大きくなり、元気な様子で喜びもひとしおでしたね。3カ月間を振り返って思うことは。

「本当に不安でつらい3カ月間でした。いなくなったときは生きた心地がしなかったです。帰ってきてくれたからこそ今言えることなのですが、この3カ月間でいろいろな猫ちゃん、ご近所の皆さま、動物ボランティア団体の皆さまに協力していただき本当にありがたく思ったのと、SNSで拡散してくれた方、友人の大切さを改めて実感することができました。

何年か振りに連絡をくれた友人、知り合いもいて人の温かさ、優しさに触れることができ、また一つ人として成長することができたと感じます。その面ではクッシュにはとても感謝しています。そして3カ月間寂しい思いをさせてしまった分、これまで以上に愛情を注ごうと思います。今となってはお互いにいい経験だったのかもしれません。見つかって本当によかったです!」

--大切なクッシュちゃんが行方不明になった経験を通じ、心掛けたいことはありますか。

「毎日一緒にいられることを当たり前と思わず、お互いの気持ちを共有し、環境の改善点を常に追求し、言葉がわからない分、行動でいい環境を作ってあげながら一緒に幸せを感じられたらいいなと思っています」

--クッシュちゃんは今、どのようにおうちで過ごしている?

「外に3カ月間いたとは思えないくらいに家で落ち着いてくれています。3カ月前となんら変わらない風景です。今も幸せそうにマイポジションのキャットタワーで寝ています。帰って来られて良かった、と思ってもらえていたらうれしいですね」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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