カレー味の麻婆か、麻婆味のカレーか 陳麻婆豆腐とゴーゴーカレーの異色コラボを実食
東京・名古屋・大阪などで12店舗をチェーン展開する陳麻婆豆腐。中国・四川で「麻婆豆腐発祥の店」として知られる陳麻婆豆腐から、海外で唯一開店することを許されたのがこの日本の陳麻婆豆腐で、その味は「元祖麻婆豆腐」とも言うべきもの。日本流のアレンジなどではない本場・元祖の味をいただけることで人気を得ています。
このややストイックとも思える陳麻婆豆腐が、「金沢カレー」を全国区にしたことで知られるゴーゴーカレーと異色コラボし、大胆にも「麻婆豆腐」「金沢カレー」をあいがけしたメニューを展開しています。聞けば、それぞれの味を一度に楽しめるだけでなく、「『麻婆豆腐」『金沢カレー』を混ぜて食べると美味しい」とも……。
味の想像がまったくできませんが、今回は、この「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」をいただきにお店に行ってみました。
■まずは「麻婆豆腐」「金沢カレー」を別々にいただきます
向かったのは新宿サザンテラスという、オシャレなテナントビルに入った陳麻婆豆腐。その店頭には、やはり「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」のメニューがドーンと打ち出されていました。
迷うことなく筆者は「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」をオーダー。店内にはいかにも辛そうなスパイシーな香りが漂っており、まだ口にしていないのになぜか額に汗を感じます。
数分後にやってきた「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」は、あらかじめ写真などで見ていた通り、真ん中にご飯が盛られ、その両脇に「麻婆豆腐」「金沢カレー」が盛り付けられています。まずは「麻婆豆腐」からいただくことにしました。
うーん、辛ウマ! 実は筆者、陳麻婆豆腐自体、初実食だったのですが、口に入れた瞬間、唐辛子の強い辛味と、花椒のピリリとしたパンチを感じました。よそでは食べたことがない味ですが、前述の通り、これが「元祖・麻婆豆腐」ということなので、日本でいただくそれは随分と変化を遂げていることも感じることができました。
続いて「金沢カレー」のほうをいただきます。
「金沢カレー」特有の黒黒としたそれもまた濃厚で、独特のコク深い味。今回の「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」では、カレーに蒸し鶏を合わせているようで、このコク深いカレーをさらに中華方面に導いている印象を受けました。うまい!
■「麻婆豆腐」「金沢カレー」を混ぜていただくと……驚愕の味が!
「麻婆豆腐」「金沢カレー」ともそれぞれ十分美味しく、もちろんご飯もメチャクチャ進むのですが、この後、未知なる味「麻婆豆腐」「金沢カレー」を混ぜたものをいただくことにしました。
当初は全く味の想像ができませんでしたが、これが意外とマッチします。「カレー味の麻婆豆腐」「麻婆豆腐風カレー」……どちらが正しい表現かはわかりませんが、極めて新しい味である一方、「ありえない」ものでは全然なく、むしろかなり美味しくいただけました。
口当たりはまず、陳麻婆豆腐の強いパンチがありますが、このパンチを覆うように「金沢カレー」がコク深く、そしてまろやかに追いかけてきます。これは結構病みつきになりそうです。もちろん、それぞれを別々にいただくよりも、さらにご飯が進みました。
■香辛料を使う2つのメニューを合体させた「麻婆豆腐」+「金沢カレー」
よくよく考えてみれば「麻婆豆腐」も「金沢カレー」も、香辛料を多く使う料理です。これが合わないはずがない! と着眼したのはさすがで、これぞまさしく「元祖・麻婆豆腐」の味をきちんと継承しながら、さらに進化させた全く新しいメニューのように思いました。
少々残念なのが、この「陳麻婆豆腐ゴーゴーカレー」は3月いっぱいの期間限定メニューとのこと。正直、通年で扱ってほしいと思いましたが、是非一度、お近くの陳麻婆豆腐で食べてみてください。新しい味であるのに親しみやすく、本当にクセになる味ですよ!
陳麻婆豆腐 https://chenmapo.jp/
(まいどなニュース特約・松田 義人)