上下で4800円と破格のお値段…ワークマンが初の女性用スーツ発売 「一軍スーツの代わりに」実際に注文してみました

 作業服大手のワークマン(本社、群馬県伊勢崎市)は2月22日、同社初となる女性用スーツを発売しました。ジャケットとパンツ上下そろえても4800円という破格のお値段。入手方法はWEB注文後、店舗受け取りのみ。低価格を実現し、配送しない理由は。同社担当者に話を聞きました。

■「一軍スーツの代わりに」「WEB商談の際に」

 同社は2021年春、スーツと作業着2WAYタイプの男性用スーツを発売。今期も73万着の販売を想定するなど好調が続いています。男性用を発売後、「同じ素材で女性用スーツを作って欲しい」という要望が多く寄せられたことから、今回初めて女性用スーツ市場に参入しました。

 女性用のラインナップは、ジャケット(2900円)、パンツ(1900円)、スカート(1900円)、ブラウス(1500円)、半袖Tシャツ(980円、全て税込み)。

 生地には帝人フロンティアの高級素材SOLOTEXを使用。撥水、ストレッチ、しわになりにくいという特長と同時に、プチプラながら「高見えする」というのも魅力の一つ。

 「大ブレイク中の男性用ワークスーツと同じ生地と副資材を使って同じ製造ラインで生産できるため、ダントツの高機能と低価格が実現できました」(同社担当者)

 男性用のような作業着とのリバーシブルではないため、ビジネスシーンや就職活動、フォーマルな場所などでも十分使用できると言います。

 同社の公式インスタグラムでは、女性客に向け「汚れやアクティブに動く現場で一軍スーツを着るにはもったいない・・・!という時や在宅ワークやWEB商談でさっと羽織りたい時におススメ」とアピールしています。

 サイズ展開はパンツのみS~LL、その他はM~LL。色はスーツ上下はブラック、ブラウスと半袖Tシャツはホワイト。

■店舗受け取りで「第一歩のハードル低く」

 元々はプロ向けの作業服専門店としてスタートした同社。既存店舗の売り場ではスペースに限りがあり、女性用ワークスーツの陳列スペースが確保できませんでした。そこで導入したのが、WEB注文後に店舗で受け取る仕組み「BOPIS(ボピス、Buy Online Pickup in Store)」です。同社広報担当者に話を聞きました。

──WEB注文後、店舗受け取りのみです。

 「今までのオンライン販売とは違い、今回の女性用スーツはWEB注文・店舗受け取り専用品です。基本的に注文していただいた製品は不良品以外キャンセル・返品はできません。とはいえ、お客様第一主義のため、キャンプギアやジュニア製品同様に、キャンセル等があれば臨機応変に対応します」

──BOPISは一般的に、物流コストをカットできるメリットがあるといわれています。御社の場合は、女性用スーツを購入した女性客に実店舗まで足を運んでもらうことも狙いでしょうか。

 「はい、その通りです。やはりまだ『男性の店』や『女性の入りづらい怖い店』といったイメージがあると思います。店舗受け取りですと、必ず購入するので冷やかしと思われなくて済みますし、購入時に店内をまわっていただけます。第一歩のハードルを低くしております」

──店側のメリットは?

 「在庫を置かないので陳列場所やスペースを気にしないで済みます。必ず購入していただけるので店舗の負担も減り、今まで店頭で行っていた客注手続きの手間も省けます。また、フランチャイズなので店舗で購入していただかないと店の売り上げになりませんが、その点もしっかりと店長に満足してもらえる仕組みです」

 なお、作業服を扱っていない「#ワークマン女子」全店とショッピングモール内の「WORKMAN Plus」店に限り、陳列と販売も行っているそうです。

■実際に注文してみました

 スーツと思えぬお手頃価格だったため、筆者も試しにジャケット1着を注文してみました。

 まずはワークマンオンラインストアに会員登録。名前と電話番号など必須事項を入力。住所は不要でした。次に商品画面から希望商品とサイズ、数量を選択し、受け取り店舗を指定しました。これで注文完了です。商品が到着後に「ご注文品お渡し準備完了のご案内」のメールが届く予定です。支払いも店舗で行います。

 本来なら数日で届く予定でしたが、ちょうど人気のWEB限定商品の発売日と重なりオンラインストアには注文が殺到。同社はサイト上で「通常のお届けよりも遅れが生じており、ご注文から発送までに10日程度、お時間をいただいております」と納期遅延をお詫び。人気のほどが実感できました。

■全国に940店舗を展開中

 同社は1979(昭和54)年11月30日設立。全国に「ワークマン」560店(「WORKMAN Pro店」1店舗含む)と「WORKMAN Plus」369店、「#ワークマン女子」11店の計940店を展開中です(2022年1月31日現在)。作業服や作業用品以外にも、最近ではアウトドアやスポーツウエア、女性向けファッションなどにも力を入れています。ショッピングセンターチェーン「ベイシア」やホームセンター「カインズ」などと同じベイシアグループ。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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