自動販売機の多くはドリンクやアイスを販売していますが、近年ではスイーツ、出汁、焼き芋、かまぼこ、車エビなど従来では考えられなかった商材も販売されるようになりました。ある意味「どんなものが自動販売機で売られていても、もはや驚かない」状態になっているきらいもありますが、そんな中、「群馬・前橋に登場した自動販売機の中華料理がすこぶるうまい。特にエビチリが絶品」との情報を受けました。

中華料理のOEMなどを行うみまつ食品というメーカーによる自動販売機で、設置されているのは同社のアンテナショップ「餃子工房RON」の店先とのこと。自動販売機のラインナップを見ると、餃子がメイン商材である一方、エビチリ、黒酢酢豚、麻婆豆腐などもあります。

気になる筆者はこの自動販売機でエビチリ、黒酢酢豚、麻婆豆腐をゲット。特に大好きなエビチリの味に期待を寄せつつ試食し、レビューすることにしました。

■「自動販売機で買った、レトルトの冷凍食品」とは思えぬハイクオリティの味

購入したエビチリ、黒酢酢豚、麻婆豆腐はいずれも通常価格900円のところ、期間限定価格で各600円。レトルトパックの冷凍食品で、湯煎することでいただける仕組みです。まずはさっそく特に大好きなエビチリから湯煎しいただくことにしました。

湯煎し、レトルトを開けた瞬間、香ってきたのがチリソース特有のピリッとしたものとエビの風味。見るからにうまそうですが、実際に口にしてさらに驚きました。大きめエビがプリップリで、高級中華でいただくそれと遜色のない味。チリソースの辛味だけでなく、どことなく甘みも感じさせてくれ、かなりハイレベルな味となっていました。「自動販売機で買った、レトルトの冷凍食品だ」と言われなければ全く気づかない、作り立てのような贅沢な味わいです。これで600円はかなりのお値打ちだと思いました。

■群馬・前橋の自動販売機まで行かなくても買える手段が……

次にいただいた黒酢酢豚、麻婆豆腐もエビチリ同様、ハイクオリティの味わいでした。黒酢酢豚は、風味豊かで酸っぱさの角がない黒酢餡に、揚げ豚の旨味が絡みあって、これがまた美味！　さらに麻婆豆腐は見た目よりも辛くない一方、スパイシーな風合いは本格中華そのもので、これまたご飯がどんどん進む一品でした。

これ、群馬・前橋の自動販売機のみでの販売だとしたら超惜しい！　と思いましたが、みまつ食品のオンラインショップでは現在、「餃子工房RON特製中華惣菜セット」として3品セットで税込2000円で販売されていました。自動販売機よりは割高になりますが、通販であれば全国どこからでも注文することができるようです。

■県内初の冷凍自動販売機での販売に合わせて、徹底してこだわり抜いた各メニュー

オーバーではなく本当に「お店で食べるような本格中華」をいただけましたが、製造・販売元のみまつ食品の担当者にも話を聞いてみました。

「当社・みまつ食品は群馬県前橋市で創業50年、半世紀に渡って餃子や焼売などを製造しています。多品種小ロットでの生産方式をとっており『みまつ食品』名義での商品の販売もありますが、スーパー様や小売店に対してOEM製造も多く、全国のスーパーや小売店、外食企業様に餃子や焼売の製造を行っています。このことから皆様も知らずに口にしていることもあると思います。

こういったことから、中華の調味料や製法には精通していますが、餃子や焼売といった『皮で包む』以外の点心類の開発を進めていきました。納得がいくまで試作を重ねること数十回、ようやく完成したのが今回の『エビチリ』『黒酢酢豚』『麻婆豆腐』でした。常温レトルトではなく、冷凍をすることにより本格的な味をそのままご家庭で楽しむことができ、湯煎で10分という簡単さでご提供することができました。

当コロナ禍によって、お客さまから店内の入店や対面販売、お金の受け渡しなどに抵抗を感じるといった声をいただき、さらに群馬県内で初となる冷凍自動販売機を設置し餃子類と合わせて販売することにしました。

『エビチリ』『黒酢酢豚』『麻婆豆腐』いずれも徹底して細部までこだわり抜き、試行錯誤を何度も重ねて完成させた一品です。本格的で中華専門店で食べるような味付けをご自宅で簡単に食べられる商品に仕上げました。ぜひ一度ご賞味いただければ幸いです」（みまつ食品・担当者）

しつこいようですが、「これが自動販売機で売られている冷凍食品なのか」と思ったのは本当で、本格的な味わいをいただくことができました。「エビチリ」「黒酢酢豚」「麻婆豆腐」とも、自分で作るとなればかなりの手間がかかる上、調理も難しいメニューです。それがたった10分の湯煎でいただけるのは本当にありがたいもの。ぜひ一度みまつ食品の「エビチリ」「黒酢酢豚」「麻婆豆腐」、お試しください！

（まいどなニュース特約・松田 義人）