超獣に蹂躙され、ポニョやウルヴァリンに暴れられ…過酷な目に遭い続ける広島県福山市 今度は犯罪都市ゴッサム・シティと友好都市提携
1972年→「ウルトラマンA」で超獣ベロクロンが暴れる。
2008年→「崖の上のポニョ」でポニョが暴れる。
2013年→「ウルヴァリン:SAMURAI」でウルヴァリンが暴れる。
そして2022年2月21日、バットマンがホームタウンとしている架空の都市「ゴッサム・シティ」と友好都市提携を結ぶ-。
これまで数々の特撮ドラマや映画で過酷な目に遭ってきた広島県福山市の最新情報が世界的に注目されている。なんでも、今年築城400年を迎えた福山城がある場所はもともと「蝙蝠(こうもり)山」と呼ばれており、ゴッサム・シティとの友好都市提携は「コウモリがつなぐ縁を大切にしたい」という福山市側の熱い思いから実現したらしい。しかし当然ながら「あんなに犯罪渦巻く街と提携して大丈夫なのか(笑)」と訝しむ声も多数。担当者の真意を取材した。
世界で初めて(!)ゴッサム・シティと友好都市になった福山市。窓口である文化振興課の担当職員に懸念の声があることについて見解を聞くと、「ゴッサム・シティが犯罪都市であることは認識しております」と一応は厳粛に受け止めつつ、「そういう街だからこそバットマンの活躍が求められているのでしょう。今後福山市に万一のことがあれば、バットマンが駆けつけて守ってくれるはず」とコメントした。さらに、「福山市は安心・安全の取り組みや、特産品であるバラにちなんだ『ローズマインド』(思いやり、優しさ、助け合いの心)を大切にしています」とすかさずPR。「友好都市提携を機に、ゴッサム・シティにもその理念をしっかりお伝えしたいですね」
福山市の市章はコウモリと山をかたどっており、市民の間では以前から「コウモリをモチーフにしたバットマンのマークとよく似ている」と話題になっていたという。担当者によると、2022年は福山城の築城400年と、映画「THE BATMAN -ザ・バットマン-」の公開(日本では3月11日)が偶然重なったことから、公式に手を携えることになったそうだ。
多くの映画ファンらに驚きをもって迎えられたこのニュース。しかも、Twitterではチェキロさん(@check_row)がいち早く、映像の世界で過去に福山市が何度も痛い目に遭ってきた“実績”を指摘したことで、「そりゃゴッサムと仲良くなれるわw」「マジ災厄の連続やん」と大ウケ状態だった。ていうか福山市、実はロケ地になっている作品が多いのか…? 福山観光コンベンション協会の「ふくやまフィルムコミッション(FC)」に取材した。
サイトに公開されているロケ実績を見ると、映画は先述した「ウルヴァリン:SAMURAI」のほか、「銀魂」(2017年)や「8年越しの花嫁」(2017年)、「るろうに剣心」(2020年)などがずらり。さらに「流星ワゴン」(2015年)をはじめとするドラマ、バラエティ番組など多岐にわたる。担当者は「こちらから積極的に誘致しているわけではありませんが、ありがたいことに多くのオファーをいただいています」と話す。
ちなみに福山市での撮影の大半は、江戸時代に建てられた伝統的な町家や港湾施設が一体となって現存する「鞆の浦」で行われるといい、スタジオジブリ側は公言していないが、「ポニョ」の舞台のモデルになっているのもここだとされている。
ただ今回のゴッサム・シティとの友好都市提携は、ふくやまFCとは無関係で、バットマンのロケも行われていない。それでも念のため、反響についてどう思うか聞いてみたところ、「注目され、話題にしていただけるのはありがたいことです」と歓迎している様子だった。
バットマンの新作はかなりヤバそうな感じだけど、さて、ゴッサム・シティと仲良くなった福山市で、次はどんなことが起こるのかな?
(まいどなニュース・黒川 裕生)