小児科の実習で忘れられない体験、医学部生のつぶやきが話題 「せつない」「なんにもいえない。涙でてきた」

医学部生のあるつぶやきが大きな反響を呼んでいます。「今までの実習で1番心に残って忘れられないのは小児科で『先生パパとママを泣かせないように死ねるかな』と聞かれた時」とツイートしたのは、Juli.etさん(@fyz3r)。この切ないツイートに、「夜に落涙。障害がある子を必死に育てます」というリプがあったのですが、Juli.etさんは、「小児科を回り僕らが少なからず見たものは、子は自分を心配する親を心配する姿でした。喜怒哀楽、いつも抱きしめてあげて下さい」と返信しました。胸を打たれたユーザーからは、「高校卒業したら死のうと決めてた自分が恥ずかしい」など、たくさんのリプライが寄せられました。投稿した医学部生にお話を聞きました。

「大切な、大切なことを学ばれましたね。素晴らしい実習です。私なら、、、なんと答えられるでしょうね。小さくても、子どもは死が分かりますからね。嘘はつけません。ただ、側に誰かがいてくれるだけで良いのではないでしょうか」

「小児科医になって下さい」

「患者の心がわかる良い先生に是非なってください。お願いします」

「なんにもいえない。涙でてきた」

「9歳の時、原因不明の病気で手術になりました。怖かったけど、死んだら親が悲しむと思いました。今は42歳、体調面は色々ありますが元気に暮らしています」

「せつないですね」

■医学部生に聞いた

ーーこちらは小児科を回られていた時のお話でしょうか。

「僕は5年の医学部生です。病院実習中です。僕も実習で知ったのですが、子ども達は、先がそう長くないことを知っていますが、家族にはそのことを必死で隠します。気づいていないふりを必死に演じるのです」

(指導役の女医さんは「「怖くないよ。弱気になっちゃったのは3人だけの秘密にしよう」と、その子を抱きしめたといいます)

ーー子供にしてはずいぶん達観した発言ですが「不安だよ、怖いよ」と裏返しの意味だったのでしょうか。

「コロナ禍なので、現在面会謝絶です。オンライン面会では必死に耐えていましたが、終わった途端いつもぐったりしていました。それを僕らは目の当たりにしてきました。女医先生には、2人になった時、死ぬのが怖い、1人になるのが怖い、痛い、辛いと思いをもらしていました」

ーー女医さんには本心を打ち明けていたのですね。

「子供は、好きな誰かに辛さを知ってほしいものなんです。時間制限はあったけどまだ面会できていた時に、女医先生が子どもに、『毎日の治療も、お母さん泣かせないように頑張ってるよね。先生の前でくらい辛い時は泣いていいのよ。そしたらきっと、お母さんに会いたいって言える。泣いてしまうお母さんを許せるよ』と声をかけていました」

ーー信頼関係を築くのは大変だったのは。

「女医先生はこの子に熱心に近づいていました。僕らが指導医から教わってきたのは、辛く根気のいる治療ほど、患者との強い信頼関係が必要になってくるということです」

ーー「ぼく?何も言えずつったってたさ」とつづっていますが、今だったら何かしてあげられたかもしれないと思われますか。

「そうですね、正直、パパとママを泣かせないように親には弱音を言わず、辛い治療をのりこえてきた子でしたから、何か言えたかもしれませんが、僕には身体をさすったり、涙をこらえたりするくらいしかできなかったと思います」

ーー「自分の為に生きるのが辛い時、何かの為に生きたいと思う依存先をたくさん見つけておくと良いと思います」とも書かれていますが、これはなぜでしょうか。

「これは精神科を回った時に感じました。人はつい理解してほしい者だけに依存するためそれをなくすと再起不能になってしまいます。依存先を多くもつ人は比較的精神科に来ることが少ないですし、長く通い続ける人はとても少ないです。健康に生きるため大切だと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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