「理系の学部を出ると文章の強調語が減る」って本当か 「かなりってどれくらい?」「とてもは数値化できる?」

「「理系の学部を出ると、文章の“強調語”が減る」

「というと?」

「たとえば『かなり』『とても』『非常に』みたいな言葉をタイピングするたびに、学生時代の恩師のスタンドが背後に立って『“かなり”ってどれくらい?』『その“とても”は数値化できる?』『“非常に”って何と比べて?』と囁く…」と、ツイートしたのはRootportさん(@rootport)。

文系と理系では言葉の使い方が違うのでしょうか。リプ欄には、「『みんなやってる』と言うと、『みんなってだれ?何人?』って返される。結局、自分にとっての『みんな』は、身近な3~4人だったりする」などさまざまなリプライが寄せられました。投稿者に話を聞きました。

「人間工学の心理物理学系でしたけど、『極端に』『かなり』『やや』『どちらでもない』の示す範囲については論文があったはずです。…なので確かにそのワードは地の文では使ってはいけない」

「数値で文章にすると『数字が多くてよく分からん』となる人には、『非常に』などを使います。数字の方が伝わりやすいとは限らないのだなというのが私の経験則です。『一瞬待って』が一番嫌いな言葉です」

「わかる~。そういう文章書かなくなってしまう。『ぜんぜん書かなくなってしまう』って書けなくなったなあ」

「会社に出ると上司はやたら『定量的に出せ!』 と言うけど、その上司は非現実的な売り上げ計画を数字で出すだけなんだよ」

「定性的ではなく定量的が求められることが多いですよね」

「『約』使って訂正されたの思い出したわ。約ってどれくらい…?どこからどこまで…?」

投稿者のRootportさんに話を聞きました。

ーー「かなり」「とても」「非常に」などの強調語は、あいまいだから使わなくなるのでしょうか。

「文章を書く訓練をした人の“あるあるネタ”として書きました。心の中に『恩師』がいつまでも居座っていて、曖昧な言葉を使おうとするとツッコミを入れてくるわけです。なお、私自身はあえてフワッとした曖昧な文章を書きたくなる場合も多いです。そういう時は『恩師、ごめん!』って思いながら、曖昧な言葉を使います」

ーー文系の人は、こうしたあいまいな言葉をよく使う傾向があるのでしょうか。

「理系文系を問わず、文章を書く訓練をした人なら“曖昧な言葉”に敏感になると思います」

ーー強調語を使わないメリットについて教えてください。

「『文章のあいまいさが減って、議論が明快になることです』と、私の心の中の恩師は言っています」

ーーなんでも突き詰めて数値化してしまうと辛くなることはありませんか。

「辛くなったらあいまいにすればいいと思います。具体的で客観的な文章とあいまいでゆるい文章のどちらが優れているとかいないとかいう話ではありません。大切なのは、時と場合に合わせることではないでしょうか。時は、突き詰めて数値化したほうがいい話題もあれば、そうでない話題もあるのです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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