「海苔と磯辺揚げだけ」で持たせられるか……ローソンストア100の大ヒット弁当の新作を食べてみた
昨年、ローソンストア100に登場した「ウインナーだけ」「ミートボールだけ」のお弁当。「好きなおかずだけを思う存分食べたい」というコンセプトのもとで開発されたものでしたが、この「だけ弁当」はおおいに話題となり、これまでにシリーズ累計100万食を突破するに至りました。
あえて多彩な具材を廃する引き算と、人気メニューだけに特化させた試み、そしていずれの定価もたったの200円(税別)というコストパフォーマンスの良さからウケたのだと思いますが、そのシリーズ最新作が登場しました。その名も「のり磯辺揚弁当」。定価はこれまで通り200円(税別)で、ご飯の上におかかと海苔、そしてメインディッシュとなる磯辺揚げが3本乗っています。
ただ、前述の「ウインナー弁当」「ミートボール弁当」が肉類だったのに対し、今回は肉感ゼロ。果たして本当に磯辺揚げ、海苔、おかかだけで持たせられるのでしょうか。実際にいただきレビューしたいと思います!
■日本人なら誰でも親しみある香りが漂う「のり磯辺揚弁当」
さっそく「のり磯辺揚弁当」をゲットしました。深い紅色のパッケージに入れられており、その装飾自体も極めてシンプルです。それでいて、「だし醤油」が添付されており、シンプルなメニューである一方、その「味」にもこだわっていることが伝わってきます。さっそくパッケージからだし醤油を取り、電子レンジで温めていただきたいと思います。
電子レンジを温めた後、パッケージの前面をはずすと、のりとおかかの風味、磯辺揚げの香ばしい香りが漂ってきます。日本人なら誰もが親しみのある香りであり、すぐにいただきたくなりました。
というわけで、付属のだし醤油を磯辺揚げにかけていただくことにしました。
■竹輪のボリューム感と、おかか・海苔との融合により、十分な満足感が得られる!
まず、驚いたのが磯辺揚げの中にある竹輪の肉厚なボリューム感。そして、まんべんなく青のりがついた衣のコク深い味とのバランスも最高です。この磯辺揚げが3切も入っているため、おかずとして十分持たせられる! と思いましたが、さらにご飯の上に乗せられたおかか・海苔との融合により、お弁当として十分満足できる内容でした。
無駄を配し、特定のおかずだけでいただく「だけ弁当」。200円(税別)という超安価と合わせて多くの人が潜在的に望んでいた画期的なお弁当だと思いました。
■定番のおかずなのに主役になれなかったものを、主役にした「だけ弁当」
ローソンストア100の「だけ弁当」、多くのコンビニやお弁当メーカーが気づかなかった盲点をつく商品だと思いました。開発の背景について、ローソンストア100・担当者の方に話を聞いてみました。
「弊社の一人の社員の熱意により10年の年月をかけて発売が実現したのが『だけ弁当』です。運営畑一筋、毎日店舗でお客様の動向にアンテナをはっていた林という社員(現・運営本部 統括部長)が『好きなおかずだけを思う存分食べたい! というニーズが必ずあるはず。ローソンストア100は弁当と麺類を一緒に買うお客様が多いので、その層に訴えかける商品なら必ず売れる」『弁当のおかずの定番でありながら、主役にはなれないウインナーをメインにした弁当は他にはないので差別化できる!』と考案しました。
しかし、商品部に開発を依頼するものの、『売れるわけがない』『見た目のバランスが悪い』『ウインナーだけでは顔にならない』という理由から却下されてきました。しかし、何度却下されても林の熱意は変わらず、その熱意に負ける形で商品部の担当が原材料の調達や製造ラインの調整に改めて挑戦し、10年越しとなる2021年6月に商品発売に至りました。
『お弁当には色とりどりのおかずが入っているべき』という常識を覆し、あえて1種類におかずを絞った超シンプルなお弁当シリーズ「だけ弁当」は、1個200円(税別)という価格も支持され『こういうので良いんだよ!』『子どもの頃の夢が叶った!』など、SNSの反響も大きく大ヒットとなりました。
おかげさまで、昨年6月に販売した第1弾の『ウインナー弁当』は83万食、第2弾の『ミートボール弁当』は32万食を販売しました」(ローソンストア100・担当者)
昨年の「ウインナー弁当」「ミートボール弁当」のヒットに続くべく開発されたのが今回の「のり磯辺揚弁当」。「のり」「磯辺揚げ」に絞り込んだ理由はなんだったのでしょうか。
「『ちくわの磯辺揚げ』を選んだ理由は、のり弁に必ず入っている定番おかずなのに主役にはなれず『これだけをもっと食べたい』という潜在的ニーズがあるはずと考えたからです。
ご飯の上には、醤油で味付けしたおかかと海苔をのせた『のり弁』となっており、その上に『ちくわの磯辺揚げ」が3切れ乗ってます。
主役の磯辺揚げは『ちくわ』自体の美味しさを追求し、石川県の水産練製品メーカーの焼ちくわを選びました。『青のり』の量についても検討を重ね、磯の香りが楽しめるようなベストバランスに仕上げました。
ちくわの磯辺揚げは人の手で1本1本、丁寧に衣をつけて揚げています。また、のり弁の海苔が箸で切れずに食べ辛い、というストレスを緩和するために、海苔は大きな1枚をのせるのではなく、小さめのものを2枚乗せました。そのままでも美味しくお召し上がりいただけますが、『だし醤油』を別添しています。さぬきうどんの本場である四国は香川県の鎌田醤油さんが製造する、ぶっかけうどんにも使う醤油で、ちくわの磯辺揚げと最高の相性です。お好みの量をかけて“味変”をしてお楽しみいただけます」(ローソンストア100・担当者)
筆者のレビューでも感じた通り、シンプルであるからこそ、その素材・味には相当なこだわりがあったようです。この「のり磯辺揚弁当」、どんなシーンで、どんな方に食べて欲しいかも最後に聞いてみました。
「そのままお弁当として食べていただきたいのはもちろん、これから暖かくなる季節では、ぜひ冷やしうどんや冷やしそばと一緒に楽しんでいただきたいです。『だし醤油』を全体にかけてから、ご飯にのっているちくわ磯辺揚げを1つ取り、まずは麺の上に移して食べていただくのがオススメです! また、『ちくわの磯辺揚げ』は居酒屋でも人気のメニューですので、磯辺揚げをつまみに宅飲みを楽しみ、シメにのり弁を食べる、という楽しみ方もありそうです。ぜひ多くの方に味わっていただければ幸いです」(ローソンストア100・担当者)
今月発売以降、再びブレイクする勢い十分の「だけ弁当」。ぜひお近くのローソンストア100でゲットし、あなたの舌で味わってみてください!
(まいどなニュース特約・松田 義人)