40代独身女性「キャットタワーじゃなくて、家を建ててあげたい」!? 愛猫のためにこだわり尽くした「15坪の平屋」
帰宅するとホッとし、猫と人が快適に暮らせる我が家--。そんな夢の城を手に入れたのは、2匹の愛猫と暮らしながら、独身生活を満喫する40代のruruさん(@ruru2487)。
かつて住宅雑誌の制作を手掛けていたruruさんは仕事で培った知識や500件以上の物件取材経験を活かし、昨年末、人も猫も笑顔で暮らせる共生住宅を完成させました。
■脱走防止に窓の位置にも一工夫…「猫が笑顔になれる住宅」
以前は、賃貸アパートに住んでいたというruruさん。出費がかさみ、住み心地が良いとは決して言えない住環境に悩まされていました。
「猫に運動させたくて一人暮らしには広い部屋を借りていたため、賃料が高くて…。愛猫を思い、照明やエアコンをつけっぱなしにしていたので、冬は電気代が3万円近くなってしまうこともありました」
日に日に、「もっと快適な家で、猫と共に暮らしたい」という気持ちが膨らんでいったruruさん。その想いは、190センチほどある大きなキャットタワーを愛猫たちにプレゼントしたことを機に、増大。
「快適そうな姿を見て、キャットタワーじゃなくて家を建ててあげたいと思いました。ちょうど、住宅ローン減税が13年還付金を得られる最後のタイミングだったことも大きかったです」
生活の利便性を考慮し、新居は平屋にすることに。「一人暮らしなので2階は必要ないと思いましたし、建坪を減らすことで予算を抑えつつ、猫のためのこだわりをたくさん詰め込もうと考えました」
中でも重視したのは、床の材質。肌触りがよく、木の香りが心地よい無垢材を選びました。
猫トイレスペースは、床をサニタリーフロアに。
「壁はキッチンパネル。どちらも水に強い素材なので、粗相されても掃除が楽です」
そして、脱走を防止すべく、窓には一工夫。高い場所にFIX窓(はめ殺しの窓)を多く取り付けました。
「カーテンがないスッキリした家にしたかったですし、猫の毛は布につきやすいので、そうした観点からもカーテンは減らしたかった。掃除が楽で助かっています」
すっかり猫たちのお気に入りとなったキャットウォークは、ハウスメーカーの設計士さんの提案により、設置を決定したもの。
グレコちゃんとクロ助くんは「MYZOO」のおしゃれなキャットステップを使って、キャットウォークへ駆けあがり、その上の梁まで登っていくのだとか。
「キャットステップの配置はハウスメーカーさんとの設計打ち合わせで考え、最終的には施工中に現場にて現場監督さんと打ち合わせて決めました」
その際、設計士さんが段ボールで作ってくれたキャットステップを現場で組み合わせて配置を決めることができたため、イメージが湧きやすかったのだそう。
広々と過ごせ、上下運動を楽しめるおうちを手に入れたグレコちゃんとクロ助くんは現在、キッチンや洗面室の棚の上などにもよく登り、まったりタイムを満喫。
特に、キッチンの東向きの窓に設けた棚はお気に入りスポット。朝ごはんを食べ終わると登り、毛づくろいや日向ぼっこを楽しんでいます。
「南西の角には窓をL字に取り、書斎用のカウンターを造作してもらったのですが、そこで午後に温かい日差しを浴びてくつろいでいることも多いです。自然に囲まれているため、鳥や狸が窓から見えて面白いみたい。窓辺にいることが増えました」
■生活動線にこだわって人も過ごしやすい家に
そんなruruさん宅には猫だけでなく、人が快適に暮らせる工夫もたくさん。特に時間をかけて考えたのは、リビングなどのリラックススペースと水回り・収納スペースのバランスや配置。
「平屋の15坪とコンパクトなので、間取りはとても難しかったです。生活動線を考えて回遊できるようにしたので、猫たちも家の中をぐるぐると走り回れて楽しそう」
その一方、実際に暮らしてみたからこそ見えたこともあったそう。「我が家はダウンライトとペンダントライトのみにしましたが、間接照明だと光が柔らかく目に優しいので、猫も人もより居心地がよく感じたかもしれません」
とはいえ、悩みの種だった光熱費が1/3ほどになったり、猫がクロスを引っ掻いてもヒヤヒヤしなくて済むようになったりと、嬉しい変化がたくさんあったため、ruruさんは心の底から家づくりに踏み切ってよかったと思っています。
「家づくりにおいて、ハウスメーカーの営業担当さんはとても重要だと思いました。打ち合わせの時にできるだけ予算内で希望に沿うよう提案してくれたり、施工中でも変更希望を叶えてくれたりと、わがままをたくさん聞いてもらえ、後悔のない家づくりができました」
そう語るruruさんは今後、経験を活かし、YouTubeで悩み相談に答えるなどして愛猫と快適な暮らしを夢見ている方の家づくりを応援していきたいと思っています。
住宅関係の仕事をしてきたruruさんが、実体験を交えながら教える家づくりのヒントにより、幸せかつ快適に共生できる猫と飼い主さんは今後増えていきそうです。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)