「一緒に時を刻みたい」プロポーズは指輪でなく時計? ヴィンテージ時計が人気のワケ
春はブライダルシーズン。ここ数年、プロポーズ=指輪が変化し、婚約指輪ならぬ婚約時計を贈る人が増えているという。それも価値の高いヴィンテージものが好まれているとか。また、新社会人の就職祝や入学祝としても注目されている。大阪・堀江にあるヴィンテージ時計専門店「LE MIRAIS Collection(リミライズ コレクション)」の門田優香代表に、その魅力について聞いてみた。
■ダイヤの時計は国内随一?新品のようなヴィンテージ時計が話題
おしゃれな街として、人気を集めている大阪市西区北堀江の一角にヴィンテージ時計専門店「LE MIRAISCollection」(LERY株式会社代表取締役・金城龍之介)がある。瀟酒な建物が目を引く路面店。出迎えてくれたのは「LE MIRAIS Collection」代表の門田優香さん。元々はアパレル会社に6年間勤務し、大型店の店長や市場調査やチーフマネージメントなどを経験した。おしゃれが好きで、就職していた時代にヴィンテージ時計にも興味をもったという。
独立後、腕時計について独学で学び、自宅の一室で現在の「LE MIRAIS Collection」を創業。人気を博し、創業4年目にして、現在の北堀江へ進出した。一歩店内に入ると、ロレックスやカルティエ、エルメスといった日本でも人気の高級ブランドの時計がズラリ。1960年代~80年代のヴィンテージものだけでなく、現行モデルも並ぶ。同店ではカルティエが8割を占め、扱う商品の9割が女性ものだそうだ。
特筆すべきはダイヤモンドで装飾された時計の品揃えで「国内でトップクラスだと思います」とは門田さん。時計以外にもバーキンなどのバッグや指輪などの宝飾品も扱っている。
ショーケースで輝く時計の数々を眺めていて驚かされるのは、年代ものなのに、新品かと見間違うほど傷などが目立たず、きれいに輝いていることだ。
門田さん曰く「傷や汚れがあるのはヴィンテージの“味”なのですが、それが苦手な人もいます。そんな人たちにもヴィンテージものを楽しんでいただきたいと、我が社の女性の一級時計修理技能士(時計職人)が懸命にケアをしてから店に並べています」とのことだ。
また「LE MIRAIS Collectionでご購入していただいた時計は安心してご愛用いただけるようにメンテのご希望があれば、させていただきます」とも話しており、腕利きの職人さんにかかれば、新品同様に仕上げることも可能のようだ。同店が人気なのも頷ける。
■実用性&一緒に時を刻む意味合いで「婚約時計」にする人も
そんな中、最近、同店でも増えているのが婚約指輪ならぬ、婚約時計を求めるお客さん。プロポーズといえば、婚約指輪のイメージがあるが、婚約時計を贈る人も今や珍しくないんだそうだ。そこで実際に、婚約時計を贈り、この4月に結婚するカップルに話を聞いてみた。
「腕時計なら仕事場や日常していても違和感がなく、実用的というのが彼女の方からの希望でした。ならば、ダイヤの指輪の代わりに、ダイヤの装飾のついた時計がいいと考えました。また、同じ贈るなら価値があり、一生大切にしてくれそうなブランドのヴィンテージ時計にしました。時計は時を刻むものなので、一緒に歩むで行こうと、それも時計を選んだ理由の一つです」。ブライダルシーズンに入り、ますます需要は高まっているようだ。
■幅広い層が注目するヴィンテージ時計
さらに婚約時計だけでなく、成人式や結婚記念日、新社会人、入学のお祝いなどでも需要は増えていると聞く。中には「両親が出会った時代に流行していたヴィンテージ時計を、両親の銀婚式に贈りたい」という声もあった。
ヴィンテージ時計の魅力は、時を経てもなお保たれている味わいや温かみだったり、高級ブランドならではの今も素晴らしいと思わせるデザイン性だったり、あるいは価格面で当時より手に入れやすかったりなど、さまざま。多くの人を魅了してやまないヴィンテージ時計…。取材すればするほど、その魅力にハマりそうだ。
(まいどなニュース特約・八木 純子)