目や耳に障がいのある猫たちの「オンリーにゃんず写真展」 来場者「涙が出てきた」主催者「どんな猫でも愛してほしい」
障がいがある猫ちゃんたちの魅力を写真で伝えようと、「オンリーにゃんず写真展」が4月2日から、名古屋市中区の「セントラルギャラリー」(セントラルパーク地下街内)で開かれます。写真展は昨年6月に千葉県浦安市内で開かれ、今回が3回目。名古屋を皮切りに、全国各地で開催していく予定です。 主催者に聞きました。
写真展を主催するピノワルド工房の武山真人さん(千葉県在住)は「コロナ禍による巣ごもり需要でペットブームがあるものの、障がいがある猫は譲渡会では敬遠されやすく、また病気になれば捨てたりするケースもあると保護猫団体から聞かれます。今回の写真展では、そういった負の循環を断ち切り、どんな猫でも愛してほしいというメッセージを伝えられれば」と訴えます。
■Twitterでつながった障がい猫ちゃんの集まり「オンリーにゃんず」の写真展 千葉から全国開催へ
武山さんのおうちにも、目の見えない三毛猫のつむぎちゃんがいます。奥さんの志帆さんとともに我が子のようにかわいがっているとか。武山さん夫婦とつむぎちゃんが出会ったのは2017年10月、保護猫ボランティア団体の里親募集のブログを見て参加した譲渡会でした。当時、つむぎちゃんは生後3カ月ほど。4姉妹のうちの1匹で、保護される前に鳥に目をつつかれて失明してしまったとのこと。武山さん夫婦は目が見えない猫がいることに衝撃を受けたものの、つむぎちゃんをおうちに迎えました。目が見えなくても自由に動き回りすくすくと育つつむぎちゃん。一緒に暮らしていくうちに「元気と癒しをもらえた」といいます。
そんなつむぎちゃんをおうちに迎えてから、2019年12月にTwitterでつながった障がい猫ちゃんの集まり「オンリーにゃんず」を結成。翌年の2020年3月、千葉市内のカフェでグループ展に参加し、「オンリーにゃんず」のメンバーの写真を初めて展示しました。そこでさらに「障がい猫の魅力を広められたら良いな」と思い立った武山さんは、同年10月に単独展「オンリーにゃんず」を浦安市のオリエンタルホテル東京ベイ市民ギャラリーで開催しました。
さらに、昨年の2021年6月にも同ホテルで2回目の写真展を開催。県内外から多くの人たちが来場したといいます。武山さんはこう振り返ります。
「コロナ禍での開催でしたが、マスク着用など感染予防をしていただきながら足を運んでもらえました。私たち『オンリーにゃんず』は、写真展を通じてありのままの姿を観てもらうことにより、障がいがある猫の安易な偏見や哀れみの声をなくすことが一番の目標です。会場で用意した1冊のノートに来場した方々に書いていただいた感想文を読んで、私たちの目標や思いが多くの方に伝わっていると感激しました」
■第2回写真展の来場者から届いた、感動の声
『福岡から来ました。いきいきと輝いていて、どの子もかわいくて涙が出てきました。こんな写真展が見られてはるばる来たかいがありました』
『幸せそうなニャンズたち。幸せをもらいました。この世に生まれてきた全てのニャンズが幸せな一生を送れるような社会になることを祈っています』
『不自由だけど不幸ではない。日々明るく生活していきたいと思いました』
そして、3回目以降は全国開催に向けてクラウドファンティングで支援を募集。目標額100万円に達することはできなかったものの、54万円ほど集まり、今回、全国開催の第一弾として、名古屋での開催となりました。
第3回の写真展には、22匹+1匹の計23匹の障がいを持った猫ちゃんが参加される予定です。今回、「+1匹」としたのは開催準備中に虹の橋を渡ったという王子くんのこと。アスペルギルス(真菌)と4種類の細菌による感染症で闘病中でした。今回、王子くんの写真も展示されます。
このほか、視覚や聴覚に障がいを持った猫ちゃんをはじめ、生後間もなく虐待を受けて左前脚に6カ所の複雑骨折を負っていたところを保護された猫ちゃんや、交通事故を受けて障がいを持った猫ちゃん、3本足の猫ちゃんなどの写真も展示されるそうです。
開催場所のセントラルギャラリーは、名古屋市営地下鉄「久屋大通り駅南改札駅」改札隣接。期間は、4月2日から14日までの13日間。時間は10時~21時。入場無料です。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)