SNSで休みを伝えてもいい? 飲みにケーションは必要? 上司と部下は分かり合えない…アンケート調査
2023年に心理学部の開設を予定する龍谷大学が、新年度に向けて企業の上司 ・部下1000人を対象に、その関係性や世代間ギャップについてのアンケート調査を実施。上司 ・部下の約7割が、価値観が合わないことを諦めているというデータが発表された。
「上司と部下の価値観が合わないと諦めているか」という問いに対して、上司の69.8%、部下の68.8%が「とても感じている」「やや感じている」といずれも約7割が「諦めている」と回答した。また、「(上司・部下に対して)ギャップを感じるか」の問いには、上司の44.8%、部下の51.6%が「とても感じている」「やや感じている」と回答。その要因として、立場・年齢・常識・時代背景・コミュニケーションのすれ違いが上位5つを占めた。
具体的にどういったところにギャップを感じるのか調査の結果、上司は「不服の顔を見せるが意見を言わない」「反応がうすく真意が分かりづらい」「考え方がクール」「マイペース」など、部下の反応のうすさに困惑しているよう。「仕事の範囲に線引きをしている」「言われていないからやらないというスタンス」「我関せずみたいな感じがする」などの割り切る姿勢に「踏み込みづらさ」を感じている様子がうかがえる。
一方の部下は、上司に対し「会話のテンポ」「ノリの違い」「たとえ話が分からない」「言葉の違い」「話し方の違い」など、コミュニケーションの違和感による上司との「話しづらさ」を感じている様子。また、「オンオフの切り替え」「ワークライフバランスに対する考え方」「親睦会や飲み会などの必要性」「プライベートと仕事の両立の仕方」など、仕事とプライベートの境目が曖昧な上司への違和感を持っている様子がみえる。
上司・部下互いの「ギャップ」「価値観」の違いはこんなところにも。「SNSで休みを伝えてもよいか」という調査では、部下の53.8%が「よい」と感じている一方で、上司は37.6%に留まり、16.2ポイントと大きな差が生じた。「酒席では部下が上司にお酒を注ぐべきか」という問いでは「注ぐべき」と感じている上司は3割程度にとどまり、部下の方が上司よりも10.4ポイント強く感じているという結果に。
一方で、「飲みニケーションは必要か」という問いで、「必要」と回答したのは上司・部下ともに4割程度に。コロナ禍という未曽有の事態もあってか、飲みニケーションは消滅の兆しとも見られる結果となった。ともすれば「部下への強要」とも捉えられそうな項目について、ひと昔前の昭和な上司像は消え、部下に寄り添う姿が浮かび上がる。対して、部下の方が仕事への気配り意識について高く表れる結果となった。