手首をよく使う人は要注意!「テニス肘・ゴルフ肘」…最近は「スマホ肘」も
暖かくなり、体を動かしたいと思う人は多いはずですが、ゴルフでスイングをしたら肘(ひじ)に痛みが走ったり、テニスのラケットを振ったら激痛があったり…。こんな症状が出たら「ゴルフ肘」や「テニス肘」かもしれません。
しかし、これは手首をよく使う仕事の人やパソコンでのデスクワークの人、重い荷物を運ぶ人などにも発症しやすい、肘の付け根の炎症です。最近はスマホをさわることが増え、「スマホ肘」と呼ばれることもあるとか。
テニス肘の正式な病名は「上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいじょうかえん)」。テニスのバックハンドや手関節を頻繁に使うと腕の上腕骨の外側の筋肉などに負担がかかり、肘の外側が痛むようになりやすいのです。
反対にゴルフ肘の場合は内側に負担がかかって痛みが起こりやすいので「上腕骨内上顆炎」とも呼ばれています。そのため、ゴルフ肘なら内側の骨、テニス肘なら外側の骨を押すと痛みを感じやすいはずです。
患者は40歳代以上の中高年に多いといえます。自然に治ることもありますが、肘用ベルトの装具での治療や薬、運動療法なども考えられます。ひどくなれば手術もありえます。予防するには日頃から肘の負担を減らし、筋肉や関節周囲もほぐしてあげることが大切です。
①肘の筋肉ストレッチは毎日でも行いたいものです。
②風呂も活用し、血行をよくしましょう。
③運動前にはウォーミングアップ、運動後にはストレッチなどを行いましょう。
④肘の使い過ぎには要注意。
⑤肘の負担を和らげるためにも適度に休息を取りましょう。
すべての病気にいえますが、早期発見・早期治療が重要です。テニス肘やゴルフ肘が気になったら、専門医に早めに診てもらいましょう。
◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。