「立てんじゃねえかよ!」とか言わないで 車椅子利用者への理解を求める投稿に多くのいいねが集まった理由
車椅子の利用者にはさまざまなケースや事情があるといううったえがSNS上で大きな注目を集めている。
「あのね…車椅子に乗っている人は下肢の欠損や完全麻痺の人だけではないんだよ。少しの間だけ立てる人や、少しの距離なら歩ける人もいるんだ。だから車椅子に乗っている人が立ったり歩いても『立てんじゃねえかよ!』とか『歩けるんじゃねえかよ』とか言わないでね。
リハビリ頑張ってるんだよ。」
投稿したのは自らも車椅子の利用者であるUltimate Painさん(@PainUltimate)。体調や身体の機能が万全でないことがわかっている相手に対して「立てんじゃねえかよ!」などと言う人がいることには驚かされるが、それもまた車椅子の利用者だからこそ体験してしまった悲しい事実なのだろう。
Ultimate Painさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「その”少し”には普通に歩ける人達には想像しがたい、ものすごく力んでやっとこなしてるのだという事実がなかなか伝わらない。私は自律神経からくる麻痺で、内臓を含めて全身がほぼ機能しない状態なのに、かなり無理して手足動かして働いてました。……年一程度で救急車呼ぶ奴だとクビになりましたよ。」
「難聴も同じですね。聴こえる聴こえないの間に音は聞こえるけど何を言ってるか分からない時がある。それを責めないで…何回も言い返して「もういいよ、なんでもないから」って言われるのが1番辛い、自分だけ分からないのが取り残されてるみたいで凄く嫌。聞き返してもちゃんと教えて欲しい。」
「歩く事はできる しかし多くの人は100㎞の距離をは歩いて移動しない 足が悪い人には少しの距離でも遠距離になる…という事ですね
かなり前の事ですが『4km位は近場。歩く』と思っていた私が高齢者にその距離歩かせた結果、足の爪を全部内出血で黒くさせ疲れで数日寝込ませた事があります」
など数々の共感のコメントが寄せられている。
Ultimate Painさんにお話をうかがってみた。
ーー今回のご投稿のきっかけをお聞かせください。
Ultimate Pain:投稿に書いた、心無い言葉をかけられたことがきっかけです。自分自身も車椅子を利用しているのですが、車椅子で生活していると「車椅子でこんな所来るなよ!」「邪魔なんだよ!」「障害者のクセに…」などと言われることもあります。そういった現状と、車椅子の利用者にはさまざまなケースがあるということを知ってもらいたいと思いました。
ーー驚かされますが、今の日本社会にはまだまだ身体が不自由な方への配慮や理解が足りない部分があるようですね。社会に対し、どのようなことを期待されますか?
Ultimate Pain:傷病者、障害者は、特殊な道具を使っていたり、少し外見や行動が違っても、罵倒や嘲笑などせず、温かく見守って頂けると嬉しいです。
ーーご投稿に対し、数多の共感のコメントが寄せられました。今回の反響についてご感想をお聞かせください。
Ultimate Pain:今回の投稿は約30万のいいねと、1280万のインプレッションを頂きました。これは投稿に対し約30万の共感と1280万の興味を持って頂けたのだと思っています。悲しい思いをさせる人より、存在を肯定してくれて、優しい気持ちと温かい目で見てくれている人の方が沢山いるのだと嬉しく思いました。
◇ ◇
「世の中がより優しい世界、温かい世界であってほしいです♪( ´ ▽ ` )ノ」とUltimate Painさん。車椅子の利用者に対してのみならず、他者への尊重、理解が当然になる時代が来ることを願うばかりだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)