大学のごみ箱に子猫3匹、生きたまま遺棄 愛護団体代表「自分の見えない所で殺しているのと同じ」

長崎県内の大学で、子猫3匹が燃やせないごみのごみ箱の中に捨てられていたことが分かりました。大学の職員から相談を受けた長崎市内の動物愛護団体代表でプロアニマルレスキュー隊の隊長・浦川たつのりさんが現場に駆け付けたところ、遺棄されていたのは離乳した直後とみられる生後3週間くらいの子猫たち。発見されたときは、そのままの状態でごみ箱のビニール袋の中に捨てられていたといいます。

浦川さんは「見つけたときはノミも、ノミのフンもなかったので、おそらく飼われていたと思われます。不妊去勢手術をしてないまま望まれずに産まれてしまい、その子猫たちを育てることができなかったため飼い主が手放したのかと思います。とはいえ、裸のままで猫ちゃんたちをごみ箱に入れておくのはひどいです」と話します。

■大学の清掃が発見、職員が保護 生後3週間の子猫たち 離乳後に遺棄か?

浦川さんによると、遺棄が発覚したのは3月25日午前。大学の清掃員が燃やせないごみ箱に子猫たちが入っていることに気付き、大学の職員が保護しました。そこで、浦川さんのところに相談があったそうです。今回、学内で猫が捨てられていたことは初めてだったといいます。

「駆け付けたところ、子猫たちはそれほど弱っている様子ではありませんでしたが、すぐシェルターに連れて行き、ノミ駆除薬と疥癬(かいせん)駆除薬、虫下し薬を投与しました。その後、動物病院に向かったのですが、体重がわずか480グラムで血液検査もできない状態でした。2週間後にまた連れて行く予定です」と浦川さん。

大学のごみ箱に遺棄されていたことについて「誰かに見つけてもらおうと思ったのか、それとも見つからないように隠したつもりだったのか・・・いろいろ推測していますが、真相は分かりません。ただ、遺棄するくらいなら、不妊去勢手術を行って産まないようにしてあげてほしいです。遺棄は無知なことがゆえの行動。子猫を捨てることは犯罪ですし、子猫を自分の見えない所で殺しているのと同じこと。子猫が産まれたのであれば、私たちのような団体に相談していただければ里親探しのお手伝いをさせていただきます」と訴えます。

ただ、今回のケースは警察に届けなかったという浦川さん。その理由を、次のように説明します。

「このようなことは、本来であれば証拠などがあれば逮捕されることになります。捜査もされるべきであり、そのような無責任なことをした方には大変遺憾な思いがありますが・・・。清掃員さんが現場を触り職員さんが子猫を保護するため移動してしまっていたので、現場保全や証拠保全などができていなかったこと。同時に警察官の同伴による現場確認ができませんでした。また監視カメラなども現場にはなかったので、警察が動くとは思えないと判断しました」

■保護された子猫3匹、健康状態は良好 里親探し会にも参加

現在、3匹の子猫たちは預かりボランティアさんのところでお世話してもらい、体重も増えて元気に成長しているといいます。幸い、遺棄された直前まで母乳を飲んでいたようで、もともと健康状態も良かったとのこと。血液検査を行ったあと、浦川さんが代表を務める「R&G長崎の保健所の命を救う会」の里親探し会(4月3日)でお披露目となりました。また同団体の活動支援を銀行振込みやPayPayで募っています。問い合わせは、「R&G長崎の保健所の命を救う会」のTwitterアカウントのDMまで。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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