猫の頭に「乗せてみニャ」 みかん、さんまの塩焼き、フランスパン、ブロッコリーなどミニチュア全10種類
手乗りサイズの立体猫「ちびーズ」の作者として知られる猫作家・HITOMIKO(ヒトミコ)さんが、立体猫の頭に食べ物のミニチュアを乗せて楽しむ「乗せてみニャ」を発売した。
食べ物のミニチュアは全部で10種類。みかん、りんごから、おにぎり、サンドイッチ、フランスパン、チョココロネ、シャケやさんまの塩焼き、さらにはブロッコリー、パンにたっぷり生クリームが挟まれたイタリアのスイーツ・マリトッツォも。これらを乗せる手作りの立体猫1体、台座1個、食べ物ミニチュア(10種入)の3点がセットになっており、価格は2万4千円(税・送料別)。
福岡県糸島市を拠点に創作活動を行っているHITOMIKOさんは2019年4月から手乗りサイズの立体猫「ちびーズ」(高さ約8センチ)をオーダー制作している。依頼者から送ってもらった愛猫の写真を参考に、水性樹脂素材を用いて型取りし、アクリル絵の具で模様を描く。骨格や顔、毛柄の微妙な配置など、依頼者の愛猫の特徴をできるかぎり捉えた立体造形猫となるよう心がけている。
これまでに57体を制作。依頼者からは「本物そっくり」「魂が宿っている」「愛猫の分身のよう。外に連れ出して楽しんでいる」などと人気を博している。1体を完成させるのに1カ月前後かかるため、今年末まで予約はいっぱいという(2023年2月から新規受付開始予定)。
「ちびーズを作るだけでは飽き足らなくなり、何か面白いものをと思って(笑)。昔、実家で飼っていた猫が膝乗り大好きな子で、私の膝の上でよく寝ていたのですが、頭がとても平たかったので、そこにいろんなものを乗せてみたいなあと空想していたのをふと思い出したんです」(HITOMIKOさん)
食べ物のミニチュアも、原型を作ってシリコンラバーで型取りし、形を整えて本物らしく見えるよう精巧に着色した後、ツヤあり、ツヤなしのニスをそれぞれ使い分けて仕上げた。
本物の猫の頭に何か物を乗せるとなると猫にとってストレスになる可能性もあるが、立体造形の猫になら、その日の気分で何を乗せても自由。食べ物のミニチュアは1~3センチ程度と小さいため、ふつうに頭に乗せると滑り落ちてしまう。そこで、猫の頭とミニチュア双方に小さな磁石を入れた。これにより乗せた時、ピタッとくっつき、格好いい位置に乗せられるという。「ちょっと魔法をかけました(笑)」とHITOMIKOさんはほほえむ。
この「乗せてみニャ」、3月18日に糸島市内にオープンした「猫助けの作家店 イトネコ」で、24日から展示販売を開始。実際に「乗せ体験」ができるほか、同店の通販サイトから購入できる(数に限りあり)
野良猫の去勢避妊、傷病猫の保護などの活動を同市内で行なっている店長の波多江暁美さんは「猫作家さん、保護猫活動に携わるボランティアさん、そしてお客さんの輪をつなげ、売上の一部は治療が必要な保護猫たちのために役立てるというのが店のコンセプト」と話す。現在、HITOMIKOさんをはじめ、猫をモチーフにした商品を作る作家10人が賛同し、100アイテム以上の魅力的な猫雑貨が並ぶ。
今後は「食べ物ばかりではなく、小鳥や花、こいのぼりやクリスマスツリーなど四季に合わせたアイテムとかも乗せてみたいですね」とアイデアを膨らませるHITOMIKOさん。この春、あなたは何を乗せてみたいかニャ?
▼猫助けの作家店 イトネコ
福岡県糸島市志摩芥屋124-1 C&Z内(水曜休)
(まいどなニュース特約・西松 宏)