「絵なんですか?」「写真にしか見えない」エモすぎ昭和の横丁「初音小路」を描いた絵が話題
昭和の香りが色濃く残る東京・谷中の飲食街「初音小路」を色鉛筆で描いた作品がインターネット上で1年にわたり注目を集めています。
作者は色鉛筆画家ユニットイロドリアルに所属するLicht(リヒト)さん。リヒトさんは2021年5月、自身のTwitterアカウント(@redepiction)に完成した作品を投稿したところ、じわじわと評判が広がり、8600を超えるいいねがつきました。ユーザーからは「写真かと思った!」「写真にしか見えない」「絵なんですか?」「色鉛筆でこんなことができるのか」「すごい技術」「すごい才能」「すばらしいです」「感動しました」などの感想が寄せられています。
■横丁の情報量の多さに苦労
作者のリヒトさんに話を聞きました。
──昨年5月の投稿が約1年経った今でも拡散が続いています。
「たくさんの人に見てもらえたことが何よりもうれしいです」
──「初音小路」を選んだ理由は。
「東京という再開発が進み高層ビルの立ち並ぶ街。その中に明らか時代が取り残されている雰囲気。古く廃れているが確かにそこで人々が生活を営んでいるーーそんなギャップが魅力的でした」
──現地で構図などを考えたのでしょうか。
「実際に足を運びました。開店準備中の飲食店からはいい匂いがしました。構図は撮影した数十枚の写真の中から気に入ったものを使っています」
──制作中、苦労した点は。
「情報量がすごく多かったことです。室外機や看板、配線、配管、段ボール箱、洗濯機、植木鉢、木造の骨組みなど、とにかく情報量が多かったので、一つ一つ克明に描くことに苦労しました。私としてはそういった生活感のある雑多さを描くことが楽しいと思っています」
──ご自身で気に入っている点は。
「アーケードから溢れる柔らかな光が気に入っています。その光に反射している配線や左上の窓ガラス、右下にある黄色い花と水の入っている植木鉢もいいです。あと木造部分の木材の質感も気に入っています」
■現在の活動、今後の夢は
──今後描きたい対象やテーマは。
「今後も東京の裏路地を描いていきたいと思っています。東京に限るかは分かりませんが。私の描いた絵を見てその場所に興味を持って欲しい。長い間、街に存在しているのに人々の記憶から薄れていってしまいそうなところを、もう一度そこに確かに存在していることを証明したい。ふたたび光を放って欲しい。そんな絵を描きたいです」
──リヒトさんの現在の活動は。
「現役生としての大学受験は失敗し、2022年度は浪人生として絵を描き続けます。その中で機会を探りながら作品制作を続けていきたいと思います。もちろん受験もがんばります」
▽作品名「初音小路」。サイズはB4サイズ(H364mm×W257mm)。使用した画材はファーバーカステルのポリクロモス色鉛筆約30色、白色のインクペン、シャーペン、鉛筆、練りゴム。制作期間は約3カ月。
(まいどなニュース・金井 かおる)
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