「保護猫写真家です」宣言が話題 新しい飼い主さんとご縁がありますように 

近年、SNSなどインターネット上にあふれる猫の写真。いずれも可愛らしいものばかりだが、その感じ方には人それぞれあるようだ。

今Twitter上で大きな注目を集めるのは猫の保護活動家による「保護猫写真家宣言」。「野良猫写真ならまだしも、保護猫写真家が外で子猫を撮るって矛盾しすぎてるじゃん 保護した後に家の中で撮れよなぁ。そうです、私こそが保護猫写真家です!!」と実際の保護猫たちの画像を添えて投稿したのは千葉県野田市で猫の保護活動をしているドン・ぶっちゃさん(@docma1212)に聞いた。

たしかに保護活動をする人にとって、不安定な環境にいる野良の子猫は保護の対象。SNS等でそんな写真ばかり目にすれば「保護した後に家の中で撮れよなぁ」と言いたくなってしまうのもうなづける。ドン・ぶっちゃさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「ぶっちゃんさんの写真好きです。野良猫写真家っていますが、やはりお外の厳しさが表情に出てて、心のざわつきを感じるんですよね。安心してる顔は、こちら迄安心をさせてくれるんです。」

「胸の奥にあったもやつきはそれか、、!!言語化してくださりありがとう、ツイ主さん!!そして天使すぎるニャンズ。」

「これよ!!かわいいし、安心して見られます!」など数々の共感のコメントが寄せられている。ドン・ぶっちゃさんにお話をうかがってみた。

ーー今回のご投稿に込められた思いをお聞かせください。

ドン・ぶっちゃ:「野良猫の写真を撮る」ことを全否定しているわけでなく、外で生きる野良猫の写真ばかりを撮って「保護猫写真家」を名乗るのはおかしいのではという主旨のツイートでした。私たち保護活動家は外にいる子猫なんて見たくないですし、ヨチヨしてる子猫なんていたら即保護対象です(笑)。

私自身は実際に保護猫写真家というわけではなく、子供の頃から写真を撮るのは大好きだったので、趣味の範疇でTwitterに写真をアップしているだけです。しっかり勉強して仕事にしたいとも思ったことはありますが、今の保護活動をしながらだと時間も資金もないので保護した子を可愛く撮って満足しています。ただ、可愛く撮れれば募集の際に目を引き里親さんが見つかりやすいのでこれからも撮影の腕は磨いていきたいです。

ーー今、何匹の猫を飼っておられるのでしょうか?

ドン・ぶっちゃ:私が飼っている猫は4匹ですが、人に懐かない、持病がある、高齢、などと様々な理由で里親さんが見つからない猫たちが常時30匹ほど暮らしております。外で生きるのが難しい子たちに居場所を与えるために、数年前実家近くに中古物件を購入しました。築年数は古いですがリフォーム済みでとても綺麗な物件でしたが、今や匠(猫)の手によりボロボロです(笑)。

ーー保護活動への思いやたいへんさ、猫とふれあう喜びについてお聞かせください。

ドン・ぶっちゃ:保護するのはなんらかの理由で「外では生きていけない」猫たちですから、活動は大変なことばかりです。幸い私は幼い頃から動物の世話が三度の飯より好きなのでどれだけ大変でも苦には思いませんが、疲れ果てた瞬間にふと冷静になると「頭おかしくなきゃこんなこと出来ないな」と思うことはあります(笑)。

仕事を辞めて一日中お世話や保護活動をやっていたいのですが、とにかくお金がかかるので仕事は辞められませんし…。闘病中の子が出れば「うちの子」と同じよう何万円でも何十万円でも治療費をかけますし、寝る間を惜しんでお世話します。

ですがそんな苦労も、里親さんが決まり、猫も人も幸せそうに暮らしている様子を見れるだけで全て報われます。里親になられた方には、是非ともSNSをやって頂きたいです。保護した側にとって卒業した子たちの成長、幸せに暮らす姿を見られるのは何より嬉しいことなのです。保護した時から見守り支援して下さっていたフォロワーさんたちもきっと同じ気持ちだと思います。

ーーこれまでのご活動に寄せられた反響へのご感想をお聞かせください。

ドン・ぶっちゃ:Twitterで沢山の方々に活動を見て頂けて、沢山のご支援を受けて活動出来ております。私一人では絶対にこんなに沢山の猫たちを救うことは出来ませんでした。ご支援を下さっている方々には心から感謝していますし、うちから里子に出ていった子たち、うちで自由気ままに暮らしている子たち、うちで天寿を全うした子たちみんな、私が一人で救った子ではなく、ご支援者様とともに救った猫たちだと思っています。

今我が家でも母子を保護していてたくさんのイイネやリツイートをもらっています。「可愛い」という感情だけでなく、外で子育てをしなければいけない母猫、外で生きていかなければいけない子猫たちの現状を意識しつつ、見守って頂ければと思っています。

◇ ◇

ドン・ぶっちゃさんはTwitterを駆使して保護活動を展開するかたわら、活動資金を得るためウェブショップ「ヒゲミーズショップ」で猫のフォトブックやトートバッグなどのグッズを販売している。保護猫にご興味のある方はぜひドン・ぶっちゃさんの発信をチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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