なめたら痛い目に遭う!必修化された小学校の英語 覚える単語は700 6年の教科書には過去形も

英語が小学校でも必修化されましたが、実際にどんなことを学んでいるかご存知ですか。2020年から小学校で学ぶ英語の学習内容は大きく変わりました。しかも小学校だけでなく、中学校やその先の大学入試も、私たち大人が学んでいた頃の英語とは様変わりしています。小学校の英語学習の現状と、手軽に無料で始められる英語学習法を合わせて紹介します。

■小学校から成績がついて、600~700単語を覚える

小学校での英語学習は、2011年から5・6年生で始まりました。「外国語活動」として行われ、教科扱いされていなかったので成績はつきませんでしたが、近年は大きく変化しています。最近の授業の様子を見た保護者からはこんな声もありました。

「上の子のときは『小学校の英語学習なんて成績もつかないし、遊びみたいなものだったよね』と感じていました。小学校の授業参観はコロナ禍のためオンラインでしたが、6年生の英語の授業の内容が上の子よりとてもレベルアップしていて驚きました。こんなに変化しているなんて知らなかったです」(Vさん/子ども:小学校6年生男子・高校2年生女子)

2020年より、小学校の英語学習は小学3年生からと前倒しされます。2018年からの移行期間を経て、3・4年生は「外国語活動」を年間35単位、1週間に1~2コマ程度行っています。5・6年生になると年間70単位、1週間に3コマ程度に増えます。さらに英語が教科化されたので、国語や算数、体育などと同じように評価の対象となって成績がつくようになりました。

小学校の英語は聞いて話すだけでなく、簡単な読み書きの習得を目指して行われています。小学校で学ぶ英単語の数は、なんと600~700語程度。6年生の教科書には過去形が出てきますが、小学校での英語学習は中学で学ぶものを単純に前倒ししたものではないとされています。中学校のように文法を体系立てて学びません。

筆者の子どもたちは5・6年生の時に英語を、上の子は外国語活動で、下の子は教科として学びました。下の子の英語の教科書の厚さは、上の子がつかったテキストの倍近くあってびっくり。教科化された下の子の英語の教科書を、上の子に見せたら「むずかしい!!」と目を丸くしました。

■中学校で習う英単語は2倍以上に増加、共通テストも大きく変化

中学校の英語の授業は、小学校で英語を学んできた前提で進みます。その結果、子どもからは以下のような反応も。

「中学校の入学式から帰ってきた息子がもらってきた英語の教科書を見たら、『小学生で習った単語』がたくさん書いてありました。息子に尋ねたら、『習ったんじゃないかなー』と他人事のよう。案の定、夏休み前には英語に苦手意識をもってしまいました」(Pさん/子ども:中学1年生男子・高校3年生女子)

小学校で英語が教科化された翌年の2021年から、中学校で学ぶ英語の内容も以下のように大きく変わりました。

▽単語数はそれまでの1200語から、約2500語に2倍以上に増加

▽今までは高校生で学んでいた仮定法や現在完了進行形を、中学3年生に前倒しして学習する

また、現時点では実行できている中学校は少ないようですが、文部科学省は中学校の英語の授業を英語で進めようとしています。

そして中学卒業後、高校に進学した先の大学入試の英語も、私たち大人が大学入試に挑戦した頃よりむずかしくなりました。驚いた保護者の声も寄せられています。

「高校で開催された進路説明会で、2021年から始まった共通テストの内容を聞いたら、英語はリスニングがリーディングの配点と同等の1対1になって、リスニングの読み上げ回数が1回の問題もあるって。私が大学受験した時より英語がとても難しそうだから、今の受験生じゃなくてよかったと思っちゃいました」(Qさん/子ども高校2年生男子)

2021年から始まった共通テストでは、リスニングがリーディングと同配点、1対1となりました。以前のセンター試験ではリスニングの読み上げ回数が2回でしたが、共通テストでは1回だけの問題も。共通テストのリーディングの設問は、日本語ではなく英文で書かれています。このような大学入試の英語の難化傾向は、共通テストだけでなく国公立大学の二次試験や私立大学にもみられます。

2020年には共通テストの英語への外部試験の導入は見送られましたが、2025年1月の共通テストから導入される予定です。

■無料の語学学習アプリやラジオ番組で、気軽に英語学習を始めよう

「3年生、4年生と進級するにつれて、国語や算数がむずかしくなってきた。私がフルタイムで働いているから、子どもの宿題や勉強をみるのは厳しい。その上、5年生から英語の成績がつくなんて、どうしたらいいの」(Xさん/子ども小学4年生女子、小学1年生女子)

保護者の心配は尽きませんね。英語の学習法は数多くありますが、勉強するために必要な時間やお金はさまざま。ここでは、今すぐ無料で始められる英語学習方法を2つ紹介します。

▽無料で使用できる語学学習アプリ「Duolingo」

ゲーム感覚で楽しめる語学学習アプリが、Duolingoです。スマートフォン・タブレット版とパソコン(ブラウザ)版があります。

英語の学習開始時の内容は、極めて初歩的です。中学校で習う英語をマスターしている人には退屈かもしれませんが、これから英語を学ぶ小学生にちょうどいいレベルでしょう。カリキュラムの最後まで学べば、仮定法まで習得できます。

感覚的にプレイすることができるので、子どもでもマニュアルを読むことなく、すぐに始めることができます。設問などに漢字が使われていますが、小学生なら無理なく始められると思います。

ゲーム感覚で毎日続けたくなる仕組みが満載だから、無理なく毎日続けられるでしょう。わが子もDuolingoをしていますが、うっかりやり忘れた日はとても悔しがっています。アプリ内課金はありますが、無料のままでも十分楽しめると思います。わが家は課金をしたことはありません。

日本語版では、英語、フランス語、韓国語、中国語を学ぶことができます。英語版なら、学べる言語は30カ国語以上。チェコ語、ウクライナ語、インドネシア語、スワヒリ語など、日本では触れる機会が少ない言語をゲーム感覚で聞いたり見たりするだけでも楽しそう。

▽NHKラジオ講座「基礎英語」に、小学生向け番組も登場

中学校で英語の先生から、「NHKラジオの基礎英語を毎日聞きなさい」と言われた人は多いでしょう。

現在も基礎英語は放送中。対象が小学生から高校生までに拡大して、番組は「小学生」「中学生 レベル1」「中学生 レベル2」「高校生」の4種類。

通常のラジオ放送の他に、インターネットでも聞くことができます。うっかり聞き忘れても、ストリーミングや聞き逃しサービスで過去の放送も聞くことができるから、安心です。思い立ったら吉日、いつでも初回講座から始められます。

毎月のテキストは購入しなくてはなりませんが、番組を聞くだけなら無料なのも嬉しいですね。

NHKの連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」では、親子でラジオ英語講座を聞いていました。机にむかわなくても、車の中やごはんを食べながらでもよいので、小学生向けの基礎英語を親子で気負わずに聞くことから始めてみませんか。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

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