捨てるなんてもったいない!マグロの希少部位ホルモン「レバー」「ハツモト」「エラブタ」がこんなに美味だって知ってた?
魚の王様・マグロ。一般的には大トロ、中トロ、赤身、中落ちといった部位を刺身でいただくことが多く、カマ、頰肉といった部位は火を通していただきます。いずれも魚が好きな日本人なら多くの人が口にしたことがある部位です。
他方、マグロにはこういったメジャーな部位以外にも、肉で言うところのいわゆるホルモンにあたる部位(腸管・ハツモト・レバー・エラブタなど)もあり、丁寧にさばかれ、鮮度が良いものは美味しく食べることができるという説を聞きました。でも、そんな部位これまで口にしたことはおろか、目にしたことも聞いたこともなく、どこか半信半疑に思っていました。
そんな中、東京・門前仲町に今年3月オープンしたマグロ料理専門店「マグロスタンダード」では、マグロのメジャー部位に加えて、こういったマグロのホルモンも提供すると聞きました。
マグロのホルモンとは、果たしてどんな味がするのでしょうか。このお店に行き、いただくことにしました。
■「脳天」「頰肉」の刺身の味にビックリ
3月にオープンしたばかりでありながら、連日予約で埋まるほどの人気を博している「マグロスタンダード」。店の魅力は仲卸し業を営む父を持つオーナーが、独自ルートで仕入れた鮮度抜群、味抜群のあらゆるマグロの部位を格安で提供している点。刺身はもちろん、マグロを焼肉に見立てて自分で焼いていただくメニュー、煮込みなどもあります。
こういった幅広いマグロのメニューの中に、確かに「腸管」「ハツモト」「レバー」といったホルモンらしきものがあります。また、火入れで食べるのが普通だと思っていた「脳天」「頰肉」といった部位も、このお店では刺身でいただけるとのこと。肝心のホルモンの前に、まずは「脳天」「頰肉」をいただいてみることにしました。
「脳天」は独特の食感である一方、臭みなどはいっさいなく、意外とさっぱりとした味わい。赤身の味をライトにさせたような印象で、この店でのスタートメニューとして最適の刺身のように思いました。また、「頰肉」もプリップリで、これまたクセがないのに濃厚な味。通常、「脳天」「頰肉」といった部位はバターで焼いたりしていただくことはありますが、鮮度の良いものを刺身で食べた場合、こんなに口当たりが良いとは全く想像がつきませんでした。
■マグロのホルモン「レバー」「ハツモト」「エラブタ」その味は?
貴重な刺身でテンションが上がった筆者は、肝心のメニュー「マグロ希少部位三種盛り(この日はレバー・ハツモト・エラブタ)」(税込880円)をいただくことにしました。これは「マグロ焼き」に属するメニューで、手元のグリルで焼いていただきます
まずは「レバー」からいただきます。肉の「レバー」のような臭みはいっさいなく、実にまろやかで、口の中でとろけるように溶け込んでいきます。続いて「ハツモト」はコリっとした食感が楽しく、あっさりとした味わいで、合わせたネギダレとの相性も抜群! そしてマグロの頭部にある薄い板の部位「エラブタ」は鶏の軟骨のようなコラーゲンを感じる濃厚な味わいで、お酒もグングン進みそうな一品でした。
いずれも入荷次第の部位で、必ず食べられるとは限らないようですが、総じて臭みなどはいっさいなく、マグロはもちろん魚が好きな人なら誰でも美味しく食べられる絶品部位だと思いました。
■問屋でも珍しがれる希少部位・ホルモン
マグロのホルモンをいただける店は限られそうですが、「マグロスタンダード」では確かに美味しくいただけました。しかし、どうして今まで一般的ではなかったのでしょうか。この点について、同店のオーナー・宮崎元成さんに聞きました。
「マグロのホルモンと呼ばれる部位は廃棄されることが大半で、良くても魚の餌になる程度で、これまでは流通されることがほとんどありませんでした。しかし、当店が実践するSDGsの観点から見ても、これはもったいない。美味しくいただけるのであれば、メニューに取り入れたいという思いからご提供させていただいております。マグロ問屋さんでも食べたことがない珍しい部位もあり、プロの方々からも驚かれるマグロのホルモンは、当店の自慢メニューの一つです。また、魚なのでヘルシーでもあり、罪悪感なくたくさん食べることができるようで、女性の方からのご支持もいただいております。
一般的なマグロの人気部位、大トロ、中トロ、赤身といった刺身ももちろんご用意しておりますが、刺身だけでない新しいマグロの魅力をご体験いただけると思っております。是非ご来店いただければ幸いです」
聞けば、現在「マグロスタンダード」ではクラウドファンディング「Makuake」で特別メニューや、お得に利用いただける権利などの販売も行っているようです。さらに、未知なるマグロの部位に出会えるかも? 下記「マグロスタンダード」公式サイトのトップページから飛ぶことができます。こちらも是非チェックしてみてください。
(まいどなニュース特約・松田 義人)