「生まれ変わって戻っておいで!」病気で亡くなった2匹の保護猫 2年後にお迎えした3匹とキャンピングカーで海へ山へ
■早く生まれ変わって戻っておいで!
ウイちゃん(メス・白三毛)、マウくん(オス・茶とらミルクティー色)、プアくん(オス・茶とら)は1歳3カ月の姉弟。東京都に住む森下さんが飼っていて、3ニャンまとめて「にゃんみつご」と呼んでいる。
森下さんは最初から動物好きだったわけではなく、幼い頃、動物が怖くて触ることすらできなかった。6歳の時、近所で生まれた子犬を家族に迎えることになり、それを機に犬が好きになったという。
「ただ、親戚の家にいた猫に引っ掻かれたこともあり、猫はちょっと苦手だと思っていたんです。でもある日、海にあるトイレの前で生後3週間ほどの子猫を2匹保護して、ミルクを与えて育てたんです。最初は里親さんを探すつもりでしたが、愛着が湧いて家族にしました」
森下さんは2匹の猫を先住犬と一緒に育てたので、まるで犬のように人懐っこい猫になった。車に乗せてあちらこちらドライブにも行ったが、8年後、2匹とも珍しい病気で亡くなってしまった。
「最後の1匹が息を引き取る時、私の指をぎゅっと握りしめてくれたんです。私は、『早く生まれ変わっておいで!』と声をかけました」
■カラスに狙われた子猫たち
それから2年後、森下さんはにゃんみつごと出会った。2匹の猫とのいきさつを知っていた友人が、「知人が6匹の子猫を保護した。里親を探しているけどどうする?」と連絡をくれた。
にゃんみつごは知人の仕事場の前の空き地で大きな声でニャーニャー鳴いていた。まだ目も開いておらず、生後10日くらいだった。カラスたちが子猫たちを狙って上空を舞っていた。母猫が戻ってくるかもしれないと1日半様子を見ていたが、戻ってくることはなく、今にもカラスにさらっていかれそうだったので、近所の人と協力して保護したそうだ。
「『あの子たちが帰ってきた!』と思いました。迷うことなく、子猫たちを迎えたいと返事をしました。ご縁ですから、何匹迎えるとか考えていませんでした。何匹でも迎えようと夫と話をしていました」
■「ミルクちょうだい!」が止まらず
知人は初めての子猫に戸惑っていた。6匹の子猫のうち1匹はすぐに里親が決まった。残る5匹はすぐに動物病院に連れて行ったが、1匹亡くなってしまった。森下さんは4匹一緒に引き取り、生後2カ月になるまで一緒に育てることにした。
4匹の子猫に3時間おきにミルクを飲ませるのは大変だった。
「子猫たちは一斉に『ミルクちょうだい!』と鳴くのですが、ミャーミャーではなくギャアーギャアーと鳴くんです。夜中はさらにその声が大きく響き渡り、ミルクを持つ私の腕は取り合いになりました」
子猫ハウスに毛布をかけていたのだが、ミルクを飲ませる時に毛布をめくる時、「生きているかな、大丈夫かな?」とドキドキしながら開けていたという。
夫妻は子猫たちを夢中で育てた。生後1カ月になる頃、マウくんの里親が決まった。里親がマウくんの様子を見に来たのだが、その日以来マウくんは森下さんの指を吸うようになった。
「突然おしゃぶりが始まって、私の指から離すのもかわいそうなので、もう1匹のミルクティー色の子猫を譲渡しました」
■キャンピングカーで家族揃ってお出かけ
森下さんは、「猫はこういうもの」という思い込みを捨て、かといって犬のように育てるわけでもなく、「犬も猫も我が家のルールに従って生活すること」を基本に育てた。いたずらっ子には多少悩んだが、母猫のように接したそうだ。やがてにゃんみつごは犬のような猫になり、今では、リモートワークをしている夫の会議中の画面に登場。場を和ませているという。
にゃんみつごとゴ-ルデンレトリバーのリノちゃんという大所帯。夫妻はみんなであちらこちらお出かけするためにキャンピングカーを買った。
「キャンピングカーならストレスも軽減できるし、何より家族みんな一緒に行動できるのが魅力です。車内には、そこにしかないおもちゃやベッドを備えています。運転席と助手席の間、エンジンルームの上が温かくて、そこで仲良く寝ています」
お出かけ先ではバギーやリュックに入れて一緒に湖や山、海にも出かけて楽しんでいるという森下さん。
「にゃんみつごを迎えなければキャンピングカーに乗ることもなかったでしょう。生活に張りができて、今まで以上に楽しい生活を送っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)