ソース焼きそばの概念を変える! 想像の斜め上をいく「進化系焼きそば」が登場
「ソース焼きそば」と聞けば、一般的に縁日、屋台、お好み焼き屋さんなどで出されるあの感じをイメージする人が多いはず。一般家庭でもよく食べられていますが、やはり従来のソース焼きそばのイメージに即した調理・仕上がりのことが大半です。完全に確立されたメニューなだけに、この従来のイメージ自体に深い疑問を持つ人はこれまでそういなかったのではないでしょうか。
そんな中、ソース焼きそばの従来のイメージを根底から覆し、見た目もオシャレでボリューム感も十分、もちろん味も絶品という「進化系焼きそば」とも言うべきメニューを展開する店を東京・中野に発見しました。その名も『YAKISOBA & GROCERIES 一服』。
前述のような縁日、屋台、お好み焼き店とはまるで違う『YAKISOBA & GROCERIES 一服』のオシャレな店構えにややひるんでしまうところもありますが、実際にその「進化系焼きそば」をいただきに、お店に行ってみることにしました。
■関連飲食店のセントラルキッチンも兼ねた『YAKISOBA & GROCERIES 一服』の大きな厨房
JR中野駅を下車し、北に約500メートルいったところにある薬師ふれあいロード。新旧の商店が立ち並ぶ庶民的な商店街の中に『YAKISOBA & GROCERIES 一服』があります。店内は無駄を配したシンプルな空間となっており、どことなく無機的な印象もありますが、そんな空間に『YAKISOBA & GROCERIES 一服』の運営会社、アーケードトーキョーのオリジナル商品が綺麗に並べられており、どこかホッとさせられます。
さらに店の奥に目をやると厨房があり、まるでラボラトリーのような雰囲気を醸し出していました。目当ての「進化系焼きそば」もこちらで調理されますが、焼きそばだけを作るにしては、ちょっと大きすぎる気もします。聞けば、このスペース、本来は前述のアーケードトーキョーの全体のセントラルキッチンとしての機能を優先させているようですが、「せっかくなので」と、キッチンと併設させるカタチで『YAKISOBA & GROCERIES 一服』をオープンさせることにしたのだそうです。
■従来の「ソース焼きそば」の定義・概念を覆す味と見た目に驚愕!
この『YAKISOBA & GROCERIES 一服』で「ソース神焼きそば」(税込920円)をオーダーすることに。厨房では、まず麺を茹でている様子が目に入ります。通常、焼きそばは炒め専用の麺で作られることが大半ですが、こちらでは麺を茹でた後、フライパンに移しさらに焼き上げるという、手間をかけて作られます。
また、焼きそばの具も、一般的には「麺と一緒に炒める」ものが大半ですが、こちらでは麺とは別の調理を施し、焼きそばの上にトッピングするという、これまた手間のかかる構成となっています。しかし、このことで「麺」「具」の味をそれぞれ楽しみながらいただけるのはもちろん、見た目も綺麗に仕上がり、いわゆる「映え」効果も期待できます。
というわけでオーダーから数分でサーブされたのがこちらです。
煮込まれた豚肉の茶、ほうれんそうの緑、卵の黄色、紅生姜の赤のコントラストがなんとも綺麗な一品で、その奥にはコシのありそうな麺が見えます。従来のソース焼きそばとはまるで違う印象ですが、かと言ってパスタとも違うし、油そばでも、焼うどんでもありません。れっきとしたソース焼きそばですが、まさに「進化系」と呼ぶにふさわしい、新しいメニューのように映ります。
肝心の味は、まず豚肉に強いコクとパンチを感じました。量も十分すぎるほどですが、これを優しく支えるような役目を、ほうれんそうと卵が担っています。その奥にある焼きそばと紅生姜が言わば主食とも言うべき存在となっており、従来の焼きそばの楽しみ方とも全く違う印象を受けました。もちろん焼きそばの麺自体も小麦感を損ねておらず、ソース味もまんべんなくつけられムラなく美味しくいただきました。
全体的なバランスが優れている一方、これまでになかった焼きそばの提案にただただ驚くばかりの筆者でしたが、これだけの手間と材料をかけ、新しい味を提案する「進化系焼きそば」が税込940円はかなり安いのではないかとも思いました。
■「焼きそばの向こう側にある焼きそば」の可能性を楽しんで欲しい!
かなりの感動と衝撃を受けた『YAKISOBA & GROCERIES 一服』の「進化系焼きそば」ですが、どのような経緯で誕生したのでしょうか。お店を運営するアーケードトーキョーの担当者に聞きました。
「『YAKISOBA & GROCERIES 一服』はもともと関連の既存店で人気メニューだった焼きそばをブラッシュアップさせたものです。以前から『酒のつまみになる焼きそば』というコンセプトでご提供させていただいていましたが、このコンセプトはそのままに、社内の料理人たちの知恵と腕を集結させて、素材や調理法にこだわって自分達が本当に食べたい焼きそばを完成させました。
焼きそばは、ラーメンよりも市民権がなく、自由度も少ないものですが、弊社系列店の様々なジャンルの料理人のスキルをもって『自分の食べたい焼きそば』を具現化させました。麺、ソース、具材それぞれにこだわり、奇を衒うだけでなく丁寧に本当に美味しい焼きそばを、適切な調理法で作り上げあました。
素材にこだわり、焼きそばの概念を覆す『ソース神焼きそば』のほか、椀だしと野菜だしを使い、お出汁でしゃぶしゃぶさせた薄切りチャーシューを合わせた『だしの神焼きそば』、焼きそばには見えなくなるほどの贅沢にローストビーフを敷き詰めた『ローストビーフの神焼きそば』(限定販売)などを考案しています。
是非ご来店いただき、試行錯誤を重ねたこだわりの『進化系焼きそば』を食べていただきたいです。『焼きそばの向こう側にある焼きそば』の可能性を楽しんでいただければ幸いです」(アーケードトーキョー・担当者)
「進化系焼きそば」の完成度の高さに驚くばかりの筆者でした。インパクトだけでなく、味、見た目、量、価格全てにおいて完璧な『YAKISOBA & GROCERIES 一服』。是非一度お店のその味を食べてみてください!
(まいどなニュース特約・松田 義人)