長期の鼻づまり・鼻水に要注意…鼻腔の炎症で起こる「鼻茸」

 スギ花粉症の季節が終わっても鼻水が続いていたり、夏風邪などにかかった後もすっきりしなかったり…。長期間、鼻づまりや鼻水に悩まされているようならば、もしかして「鼻茸(はなたけ)」かもしれません。

 別名は「鼻ポリープ」。鼻の中の粘膜部分で炎症が起こり、腫れて垂れ下がったポリープ(白い水ぶくれのようなできもの)がキノコに見えることから鼻茸と呼ばれるようになったといいます。

 形は釣鐘状から茸状までさまざまです。1個だけでなく、人によっては何個もできる人がいます。ひどくなると鼻の変形が起こることもあります。

 はっきりとした原因は今も不明ですが、風邪をはじめアレルギー性鼻炎や気管支喘息(ぜんそく)などの合併で引き起こされることもしばしばです。なかでも、慢性副鼻腔炎の患者さんは全体の10%~20%にあたる約20万人に鼻茸がみられるといいます。慢性副鼻腔炎をはじめ、喘息やアレルギーのある人などは発症しやすいようなので、日頃から注意してください。

 特徴的な症状は鼻づまりや鼻水です。その他、呼吸がしづらかったり、嗅覚や味覚に異常があったり、いびきや耳の閉塞感などもみられます。後頭部が重く感じたり、頭痛を伴うこともあります。

 鼻づまりが原因で熟睡できなかったり、仕事などに集中できなくなったり、味覚や臭覚に異常が出て食事がおいしくなくなったりと、日常生活にも悪影響が出てきます。

 検査は問診をはじめ、必要ならばCT検査などもします。治療法として薬物療法があります。薬での治療の効果が十分でない場合は手術による摘出もありえます。また、一度切除しても再発する可能性もあります。鼻づまりなどが気になるようならば、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。

◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。

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