もっと一緒にいたかった 5歳で旅立った愛猫 今も続く母猫やきょうだい猫との交流
■野良の親子猫
ミルキーくん(享年5歳・オス)は、石川県金沢市内で野良の母猫が産んだ子猫だった。兄弟は全部で4匹。母子の世話をしていた猫好きの人たちが、「里親を見つけてあげたい」と保護を試みていたという。まず子猫1匹を捕獲し、数日後、母猫とミルキーくんたち3匹を捕獲。そのあしで動物病院に連れて行き、診察やシャンプーをしてもらったそうだ。
■一番小さな子猫、この子だ!
石川県に住む吉田さんは、ミルキーちゃんたちが連れてこられた動物病院に、以前から「保護猫の里親になりたい」と伝えていた。そのため、ミルキーちゃんたちが来ると動物病院から「保護猫が来たよ」と連絡が入った。
吉田さんは、すぐに駆けつけ、もう1組別の里親希望者と一緒にお見合いした。
「ミルキーを見た時、この子だ!と思いました。3匹いた子猫の中でも一番小さくて、そのまま連れて帰って家族になりました」
母猫は後日不妊手術を受け、保護主さんが子猫1匹と一緒に引き取った。もう1匹の子猫も里親が決まったそうだ。
■猫で繋がった縁
吉田さんは2匹の柴犬を飼っていたので、ミルキーちゃんが怪我をしないように部屋の中に柵をして、柵越しに対面させた。
「徐々に同じ空間で暮らして慣らしました。柴犬は女の子で、気が強い子でしたが、2、3カ月後には安心して見ていられるようになりました」
吉田さんには2人の娘がいて、柴犬も2匹とも女の子だったので、ミルキーくんは初めての男の子だった。
「男の子の可愛らしさを教えてくれた王子様のような存在でした。のんびりおっとりしていて、優しくて滅多なことでは怒りません。愛犬とプロレスごっこをしても、わざと負けてあげるような子だったんです」
ところが、ミルキーくんは2019年6月、天国に行ってしまった。まだ5歳、これからという時だった。ただ、猫で結ばれた縁があり、吉田さんは今でもミルキーくんの母猫や子猫たちに会いに行き、交流を続けているという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)