頭蓋骨を割られた猫を保護 瀕死の状態から奇跡の回復…フミフミする姿に感動! 「よく頑張りました」「いっぱい幸せになってね」
「2022年2月19日、頭を砕かれて頭蓋骨まで割られ、保護されたラッキー
捕獲器に自分から入って来た時、保護された方は言葉が無かったそうです。
・・・手術が無事に終わりここまで心が通う様になりました」
頭を砕かれて頭蓋骨まで割れる大けがを負った猫が大阪南部で保護されてからもうすぐ3カ月。今、鉄道模型ジオラマとかわいい猫たちと触れ合える空間「ジオラマ食堂」(大阪市天王寺区)の保護シェルターにいます。瀕死の状態から奇跡の回復を見せたという保護猫の名前は、ラッキーくん。推定5歳から7歳くらいの男の子です。
今回フミフミしながら甘えているラッキーくんの動画を同食堂のオーナー寺岡直樹さんがツイッターに投稿したところ、6万超のいいねが付いたほか、再生回数も100万回を超えるなど話題になりました。投稿者や保護主に聞きました。
■捕獲器に自分から入った保護猫「助けてほしかったのでしょうね」
リプ欄には、元気なラッキーくんの姿に感動した人たちからたくさんのコメントも寄せられています。
「ネコちゃんが自分から入るなんて、、、痛くて辛くて、、、
それでも恐怖を感じながらも、助けてほしかったのでしょうね よく頑張りました」
「良かった、もうみんながあなたの味方だよ!第二の猫生、穏やかに過ごしてね!」
「ラッキーちゃん、もう大丈夫!!いっぱいいっぱいしあわせになってね」
「頭が砕かれるまでどうしてそんな事を..自分がされたらどんな気持ちだ!と思います。
人を信じ甘えてくれる姿に涙が出ました。」
「これは言葉で言い表せない位嬉しいですね!!!
ラッキーさん生きてくれてありがとう!!!
そして助けてくれた方々に感謝しかないです!!」
多くの人から励ましや喜びのコメントをもらったラッキーくん。保護された時や現在の様子について、動画を投稿した寺岡さんや保護した猫まもり隊所属の吉原みほさんに聞きました。
■獣医「鋭利な鈍器で人間にやられた可能性が高い」
--頭蓋骨を割られるほどの大きなけがを負ったラッキーくんですが、保護した経緯は?
吉原さん「TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)活動をしており、2月19日に大阪南部で別の猫を捕獲しようと思っていたら、ラッキーが自分から捕獲器に入ってきたんです。頭蓋骨が砕かれ脳が見えるほどのひどいけがをしていたので、急きょ保護して動物病院に連れて行きました」
--当時のけがの具合は。
吉原さん「ラッキーは頭が割れていましたので、緊急手術を受けました。縫ってもらい3日間入院。獣医師によると、『生きていたことが奇跡』だといい、事故や鳥が襲ってもここまでにはならないと・・・鋭利な鈍器で人間にやられた可能性が高いと話していました。外にいる野良猫たちが常に危険な環境にさらされていることを実感しました」
--けがの状況から虐待された可能性もあるわけですね。
吉原さん「はい。人懐っこい子はご飯をあげると寄ってくるので、そういう子は虐待される対象になりやすいです。猫が嫌いな人が力いっぱい叩いたりすることもありますし・・・」
--退院直後、ラッキーくんはジオラマ食堂さんの保護シェルターに迎えられた?
寺岡さん「そうです。ジオラマの製作素材がありましたので、こっちに来ると分かった日にスタッフと一緒に個室を急きょ作りました。個室を作ったのは傷の状態もひどかったこともありますが、エイズキャリアでもあったので。ラッキー専用のお部屋を準備したんです」
--捕獲器に自分から入ってきたというラッキーくんでしたが・・・。
寺岡さん「命に関わるほどのけがだったので、『本当に助けてほしい』と必死に思って捕獲器に入ってきてくれたのだと思います。名前の由来は、命が助かってラッキーだったということで名付けました」
--痛い思いはしたけれども、優しい人たちに助けてもらえて本当に良かったラッキーくん。今の様子は?
寺岡さん「傷の具合はだいぶ良くなりましたが、かかりつけの病院に通いながら薬を毎日飲んでいる状況です。食欲もありますし、あまりにも人慣れしてきたので爪を切らないと痛くて。私たちに擦り寄ってくるので、爪が引っ掛かってしまうんです(笑)」
--ラッキーくんの今後は。
寺岡さん「今後はけがが回復したら年単位になるかもしれませんが、里親募集もする予定です。またラッキーは虐待された可能性もあります。最近、全国的にも動物の虐待が増えています。あらためて動物虐待は犯罪であることを知ってもらいたいです」
新型コロナウイルスの感染拡大で廃業寸前の食堂を営んでいたという寺岡さん。2020年8月、店内で遊ぶ保護猫たちの姿をSNSに投稿し話題沸騰に。そこで、現在の鉄道模型ジオラマとかわいい猫たちと触れ合える人気食堂「ジオラマ食堂」が誕生したといいます。現在、猫はシェルターも含め50匹前後いるそうです。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)