ファミマのチキンを生んだ沖縄のコンビニバトル 抗争史描いた漫画がSNSで話題 「ファンは沖縄に足を向けて寝れない」

ライバル社の進出で苦戦していた沖縄のファミマを救ったのは、揚げ物食文化の象徴であるフライドチキン。そして、それが後のファミチキの全国展開につながったー。ヒット商品が生まれた背景を描いた漫画がSNSで話題です。作者の空えぐみさんは沖縄の漫画を描くために移住したほどの沖縄フリーク。沖縄ファミリーマート(那覇市)と空さんに聞きました。

まずは歴史のおさらいから。ファミリーマートのヒット商品であるファミチキの発売は2006年。当時は骨付きのフライドチキンが一般的でしたが、ワンハンドで手軽に食べられる点などが支持され、累計販売数は17億食を突破しているといいます(2021年11月末)。

ファミチキ誕生からさかのぼること6年、2000年10月、沖縄ファミリーマート社がその元祖といえるフライドチキンを売り出します。売れに売れた大ヒットにファミリーマート(東京)が注目し、翌2001年には急きょ全国発売され、その後のファミチキ誕生につながります。いわば沖縄はファミチキ発祥の地なのです。なお、沖縄では、ファミマの店内調理のチキンすべての名称として、「ファミチキ」と呼ぶ人が多いそうです。

空さんがアカウント(@egumisky)で公開した漫画「「ファミチキは沖縄で生まれた」というホントの話」は、沖縄におけるフライドチキン誕生に至る経緯をわかりやすく描いたもの。「沖縄は揚げ物文化なのかーサーターアンダギーが浮かんだw」「これは!「ちむどんどん」で出そうな物語」などのコメントとともに3万近いいいねが付いています。

■拮抗するファミチキとフラチキ

沖縄ファミリーマートが県内で展開する店舗は300以上。店頭には骨なしのファミチキ(税込み180円)と骨付きのフラチキ(沖縄限定、税込み140円)が並んでいます。2006年のファミチキ発売後も、しばらくはフラチキの方が売れていましたが、現在はファミチキの方が若干優勢とのこと。

同社に尋ねると、個々の商品の売り上げ額は公表できないとのことですが、「フラチキ・ファミチキ共に人気上位の主力商品です」(広報・マーケティング室)。沖縄県内ではチキン類は毎日2万本以上(!)売れているそうです。

空さんに聞きました。

ーファミチキをめぐるドラマを初めて知りました

「沖縄ファミリーマートさんのサイト内の漫画や琉球新報社さんの記事を参考にしてまとめました」

ー沖縄のファミマってどんな雰囲気なんでしょうか

「内地では見かけない商品が多くあって面白いです。ゴーヤーチャンプルーやポーク卵おにぎり、あと変わり種ではコーヒー泡盛なんてものもあります。海の近くに住んでいるのですが、刺し身が売っていたりもしますよ。他にもファミリーマート発の漫画雑誌があります」

ー本土から沖縄に移住して

「街を歩いているとまずバナナが普通に生えてることに驚きました。あとパパイヤやグァバも生えていて気候が違うことを実感します。ヤモリもしょっちゅう鳴いています。

最初は『鳥が鳴いているのかな』と思っていたのですが、2年目に教えてもらい気づきました」

ー漫画が話題になりました

「ファミチキファンの皆さんがSNSで「沖縄ありがとう!」や「沖縄に足向けて寝れない・・・」とおっしゃっていたのがおかしかったです。私も含めて皆さん、ファミチキが大好きだなんだなあ、と」

チキンを好む沖縄の食文化から生まれたフラチキ。なお沖縄ファミリーマートには、「フラチキ先輩」なるキャラクターがおり、あの「ファミチキ先輩」(ファミマのバイト歴11年、特技はピアノ、趣味はフィギア集め。NGワードは「骨なしチキン野郎」)の先輩格にあたるそうです。

    ■

ファミチキの話の全ページはこちらから→『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』45話https://kuragebunch.com/episode/3269754496790574672

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』は1~4巻が発売中。コミックス5巻は6月9日発売です。

(まいどなニュース・竹内 章)

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