「ようやく初泳ぎ!」「ダイブに夢中」旭山動物園の赤ちゃんホッキョクグマ 来園者がつづる成長日記、名前も募集中!

「ようやく初泳ぎ!」「ダイブに夢中みたい」「潜水も上手になりました」-。北海道旭川市の旭山動物園。ホッキョクグマを観察できる「ほっきょくぐま館」では、真っ白でちっちゃな子グマが大きな母グマの側をちょこまか動き回ったり、おもちゃを追いかけたりと元気いっぱいです。でもそれを報告し続けてきた動画は4月に「最終回」に。その役目をファンたちが引き継いで発信し続けています。

■40年ぶりの誕生

ホッキョクグマの誕生は同園では40年ぶり。ホクト(21歳オス)とピリカ(16歳メス)の“出会い”から、2021年12月の出産、産室での育児の様子は担当飼育員による解説付きで動画で発信されてきました。

今年4月には4本目の動画を公開。どんどん活発になる子グマの姿、屋外デビューを控えた放飼場での準備作業、そして親子が練習のため初めて屋外へ出る場面もおさめられ、おぼつかない足取りで母グマに寄り添う子グマの姿がありました。解説では、長年期待されながら繁殖が叶わなかった個体への労い、その過程で得られたものが子グマの誕生につながったことも語られました。そして、一連の動画はこれが「最終回」と告げ、こう続けました。

「産室での子育ては飼育係にしか見られない、その貴重な姿を見てほしくて配信してきました。一般公開が始まったら今度は飼育係はずっと見ていることはできません。たくさんの方が楽しみにしてくれていると思います。子育て日記の続きはみなさんにお願いしたい」

■あふれる投稿

日記の続きの1ページ目は、親子の正式公開が始まった夏期開園初日の4月29日。早速、来園者のツイッターやインスタグラムなどには、親子の様子、子グマの成長ぶりを捉えた画像や動画であふれかえりました。

筆者も早速、GW明けにひとっ飛び。おもちゃを追いかけ駆け回る子グマと対面。浅くて小さい方のプールでは泳ぐことはでき何度もダイブを繰り返してバチャバチャ賑やか。でも深い方のプールではまだ泳げず、勢い余っておもちゃを落としてしまうと明らかに困った顔。水をかいて引き寄せようとすればするほど離れてしまいさらに呆然…。母グマは水中へ誘うかのようの子グマの前をスイーっと泳ぎ通り過ぎるだけです。なるほど、熱血指導はせず「待つ」タイプの育児方針のようです。頻繁に見られた授乳タイムは、耳を澄ませば子グマ特有の笹鳴きと呼ばれる音が聞こえました。

この時は深いプールで泳げなかった子グマですが、数日後には「突然泳ぎだした」との情報が。動画を見ると、前脚だけを使う大人の“クマかき”とは違い、前脚も後ろ脚もフル稼働の子グマならではの必死の泳ぎっぷり。その後どんどん上達し、泡のラインを美しく描きながら水中を泳ぐ姿が発信されるように。「ダイブの楽しさに気づいたみたい」「プールの底まで潜れるようになった」…。続きを託された子育て日記には、子グマの成長、母グマと寄り添う日々の出来事が、来園者たちによってたっぷりとつづられ続けているのです。

■ただいま名前募集中

ところで子グマはまだ愛称が決まっていませんが、SNS上では仮の呼び名がほぼ定着。母グマの名前から誕生当初は「ピリカっ子」、性別メスと公表後は「ピリ子」で親しまれているのですが、そろそろ生後半年。同園では、子グマの愛称募集を行うことを発表しました。会いに行けなくてもSNS上で見られる大人気の子グマではありますが、「実際にホッキョクグマの子どもの様子を見て愛称を考えてもらいたい」として、来園者による園内での応募に限定し行われます。愛称募集は6月1日から12日まで。詳しくは同園公式サイトで。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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