新生活、気づかないうちに無理してませんか? 6月ですが「五月病」…深刻化する前に受診を
このところ医学と関係ない話題が続きましたので、久しぶりに医療の話です。
もう6月になってしまいましたが、入学や就職に伴い、学校や職場で新たな生活がスタートして2カ月も経つと、新生活で慣れないことも多く、知らぬうちにストレスがたまってきます。気づかないうちに無理をしてしまうこともあるでしょう。仕事内容や環境が自分に合っていないために「適応障害」をきたすことも。
そして5月に入り、身体のだるさ、疲れやすい、意欲がわかない、よく眠れない、食欲がない…などの心身症状が表れることがあり、これを「五月病」と呼びます。ところが「五月病」は正式な医学病名ではありません。5月の連休後に憂うつになる、なんとなく体調が悪い、学校や会社に行きたくない…などの抑うつ気分を指します。5月から6月に学生や新入社員に起こりやすいので五月病と呼ばれているだけです。
無気力になったり不安感が強くなったり、今までイヤでなかったことが急にイヤになる。好きだった趣味がつまらなくなった。なんとなく不安で落ち着かない、などの症状は要注意です。また、胃痛や食欲不振、頭痛、めまい、不眠などの症状は危険信号です。うつ病に進んでしまう前に、早めに心療内科か精神科を受診してください。
民間療法として有名なのが「レモン精油」です。レモン精油は集中力を高める働きがあり、これまでの研究報告でも、マウスによる実験で高い抗ストレス作用が観察されたことや、うつ病患者に対する抗うつ薬の減量に有効であることが報告されています。また、作業効率を上昇させるという報告もあります。五月病でなくとも、ストレスを抱えている方は一度試してみてください。
◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。