延期→延期→もう3年生だし、受験準備があるから中止ね!? コロナ禍「修学旅行」に行けなかった中高生の悩み
新型コロナの影響で、さまざまなイベントや活動の自粛が余儀なくされてきました。学校の行事も延期を繰り返し、最後には中止となるパターンも少なくありません。中学生や高校生の修学旅行も中止になるケースが多かった行事のひとつです。
Tさんの通う高校は、例年、2年生のときに修学旅行に行っていたのですが、コロナの感染拡大により延期、またその半年後に再延期になり、最終的には中止となってしまいました。
一度目の延期のときは、延期になってもみんなで修学旅行に行けると思っていたため、特にショックなどはありませんでした。二度目の延期はもしかすると行けないかもしれないという雰囲気が学校に漂っていたそうです。
修学旅行は延期されたまま、Tさんの学年は3年生に。一度目の延期から1年が経過し、コロナだけでなく、今度は受験が控えているという理由もあって修学旅行は中止に。Tさんは勉強だけの高校生活に悩むようになりました。
■心にぽっかりと穴が開いたような感覚に
Tさんが通う学校で行われる行事は修学旅行だけではなく、球技大会や文化祭など学校全体で行う行事もたくさんありました。しかし、これらの行事も中止となり、多くの制限の中、ストレスを抱えて学校を休みがちになるクラスメイトもいました。
Tさんは学校に行けば友達もおり、楽しい時間を過ごせていましたが、クラス全体で目標を掲げ取り組む行事や修学旅行という時間を失い、心にぽっかりと穴が開いたような感覚になったと話してくれました。
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コロナ禍でストレスを抱えていたのは、生徒だけではありません。しかし、学校生活だからこそ経験できる修学旅行や部活、イベントなどを楽しみにしていた生徒にとっては、こういった現状はとても悲しいことでもあります。コロナ禍においてストレスを抱え、退学していく学生がTさんの学校でも例年より多く見られていたとも聞きます。生徒の心のケアや声を聞くことも大切ではないでしょうか。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)