「公園でウエストポーチから焼そば直食いしながら踊っていた人は誰?」と似顔絵を投稿→6時間半後に本人特定「これって私かしら?」
札幌市の大通公園でピンク色の髪を揺らし、焼きそばを食べながら踊っていた人は一体誰?気になったTwitterユーザーが「詳細ご存知の方いませんか?」と似顔絵を投稿したところ、瞬く間に拡散し、約6時間半で本人が「あらやだ、これって私かしら?」と気づきました。
しかし、なぜ焼きそばを食べながら踊っていたのでしょう?似顔絵を投稿し、情報を募った阿紋(@amonworks)さんと、踊っていたモスコちゃん(@dufayel_)さんに聞きました。
■似顔絵描いたのはフィギュア原型師「仕事ではもっとちゃんと描きます」
阿紋さんはフリーランスの商業原型師です。フィギュアやアクセサリーの原型を作っています。
ーー焼きそばを食べている人を見かけたのはいつごろですか?
阿紋さん「6月12日の昼頃です。なにやら派手な方が自撮りしてるな~と思ったら、ポーチから焼そばを食べ、踊りはじめたので驚きました」
ーー声はかけなかったのでしょうか?
阿紋さん「声をかけようかと思ったのですが、ファン?らしき方が何人か来て対応されていたので、声をかけませんでした」
ーー特徴をとらえた似顔絵が本人特定につながりました。原型師という職業がなせる技でしょうか?
阿紋さん「あの絵はスマホの落書きアプリで描いたものなので、かなり乱雑な仕上がりになってしまいました・・・。こんなに拡散されるとは思っていなかったので、お恥ずかしいです。仕事柄、絵を描く機会はたまにあるのですが、仕事の時はもっとちゃんと描きます」
ーー今度モスコちゃんに会ったら伝えたいことはありますか?
阿紋さん「あれから配信見てますと伝えたいと思います」
■TikTokの撮影 焼きそばは透明のポーチに直接イン
モスコちゃんはソーシャルメディアインフルエンサーで、TikTokに動画を投稿しています。大通公園で焼きそばを食べていたのも、TikTokの撮影でした。「21世紀の焼きそばの食べ方」と題して動画がアップされています。
ーーなぜ焼きそばを食べて踊る動画を撮影していたのですか?
モスコちゃん「海外でTikTokをしてる人たちの間で、パスタや、牛乳とコーンフレークを透明なポーチや肩掛けカバンに入れて、食べながら、踊るのが流行ってたんです」
ーー焼きそばは透明のポーチに直で入っていたのでしょうか?油でギトギトになりそうですが…。
モスコちゃん「直で入ってます、そのあとは家で手揉みでお湯洗いします」
ーー似顔絵を描いた阿紋さんは「モスコさんをフォローしたい」と投稿していましたが、フォローされましたか?
モスコちゃん「フォローされました。なんだか出逢いが面白いので、こちらもフォローバックしました」
ーー今回、バズったことでモスコさんを知った人もいます。
モスコちゃん「焼きそばポーチで踊ることがこんなに反響になるなんて、夢にも思いませんでした。これからもTikTokやYoutubeで食べたり、踊ったり、楽しいことができればいいなと思います。ぜひ見ていただけたら嬉しいです」
ーーモスコちゃん特定に貢献したTwitterユーザーにメッセージはありますか?
モスコちゃん「特定するためにリツイートやいいねをして捜索のため、尽力してくれた人達に感謝してます。みんなのチカラが大きなパワーになることを実感しました。ありがとうございます!」
ーーモスコちゃんのSNSアカウントには【100kgクィアの日常】とあります。クィアとは性的少数者という意味でしょうか。
モスコちゃん「男性として男が好きな『ゲイ』にも、心の性別に性転換したい『トランスジェンダー』にも当てはまらない、『クィア』という風変わりなセクシャルマイノリティがあります。男性の部分と女性の部分がマーブル状に共存している状態とでも言うのでしょうか。日本では、『オカマ』『オネェ』『女装家』という言葉が普及してますが、『クィア』という言葉が代用語として普及してくれることを願ってます」
◇ ◇
阿紋さんの似顔絵はスマホの落書きアプリで描いたもので、本人は「下手な絵ですみません」と恐縮していますが、モスコちゃんらしさを簡潔な筆遣いでとらえていました。Twitter上では「一見下手な似顔絵に見えるけど十分な情報量」と絵を称賛する声が上がっています。モスコちゃんは性的少数者「クィア」であることを公表して、表現活動を行っています。「オカマ」「オネェ」という言葉が使われなくなって、クィアが一般的な表現になっていくのかもしれませんね。
(まいどなニュース・伊藤 大介)