「早くしなさい!」は逆効果 イヤイヤする子どもを変える魔法の言葉 「ママがやっちゃおうかな~」
「ダメ!!」「早くしなさい!」「ちゃんとしなさい!」…そんな言葉を1日1回は口にしていませんか。言うことをなかなか聞かない、なんでも嫌がる…子どもがそのような時期だと、ついつい言ってしまいますよね。でも、そんな言葉でさらに子どもが「やだー!」「ぎゃー!」となってしまうこともあります。そんなことにならないために、先輩の保護者たちが実践している「子どもを動かすプラスの言葉」を紹介します。
■「早くしなさい!」に変わる声がけは?
朝からグズグズする子どもに、口をついて出てしまう「早くしなさい!」という言葉。でも、逆効果のことがほとんどのようです。ママたちが「早くしなさい」の変わりに使っている言葉とは?
▽ママがやっちゃおうかな~
「何してんの! 早くしなさい」と口をついて言っていました。もちろん「やだ! うるさいの!」と大反発され…ならばと、「じゃあAちゃんの洋服、ママが着ていいかな」「Aちゃんのご飯も、ママが美味しくいただきます!」と言うと(あえて楽しそうに言う)、焦って行動するように。このやり方どうなのかな…と自責の念に駆られつつ、子どもは「はっ!」という感じで動いてくれるので「ママやっちゃおうかな~」は当分続く予定です(苦笑)。〔Oさん、子ども3歳・0歳〕
▽「Bちゃん、早っ! ママ負けてる~」
「早くして」という言葉では動じない息子…イライラしながらも、作戦変更(笑)。息子が着替え始めれば私も一緒に着替え、「Bちゃん(息子)早っ!ママ負けそう!」と言うと、勝ちたいがためにものすごいスピードで着替えてくれます。食事や片づけなども同じ要領で。子どもって結構負けず嫌いなので、この方法おススメかも。〔Tさん、子ども5歳〕
▽みんなが待っているよ
保育園の友達が大好きな娘。友達に会いたくて、遊びたくて通っているようなもの。朝の支度、ご飯はゆっくりモードでグズグズになってしまうことが多いですが、「お友達みんな、Cちゃんのこと待ってるよ! 遊ぶの楽しみにしているよ」とか、「Dちゃん(友達)がそのお洋服可愛いって言ってくれるかも」と友達がらみの声がけで動きが早くなります。〔Iさん、子ども4歳〕
◇ ◇
…「早く早く!」という声がけばかりが続くと、早く終わることを最優先にして、ひとつひとつの行動が雑になってしまい、なんでもいい加減にこなすようになってしまうことがあるそうです。親の「早く」が伝染して、子ども自身も相手を待てなくなる、なんてことも。焦る気持ちとは裏腹に、言葉だけでも「優しくゆったり」を心がけたいもの。なかなか難しいですが、逆に子どもはチャチャっと動いてくれそうです。
■「これ買って!」と騒ぐ子どもに効く言葉は?
スーパーで「これ買ってぇ~」と泣きじゃくるわが子。途方に暮れるし、怒鳴りつければ火に油を注ぐ結果になるし。抱っこしてその場を離れても泣いて暴れて…。どんな言葉をかければ落ち着くのでしょう。
▽今日は見るだけにしようか
お菓子コーナーで必ず「買いたい」としゃがみ込むので、ほぼ毎回買ってしまっていました。一度「今日は買わないよ」と言っただけで、もう大騒ぎ。泣きじゃくる子どもを抱きかかえながらかごの商品を棚に戻し、お店を出ました(汗)。私が買い物恐怖症になってしまって、しばらく子連れでスーパーには行かない日々が続いたのですが、これではイカン!と。
ある日覚悟を決めて、お店に入る前に「今日は、夕飯の材料のEとFを買いに来たの。おもちゃ付きお菓子は、今日は見るだけにしよう。また今度ね」と子どもに伝えました。納得したのか、自分なりに見通しが立ったのか、お菓子コーナーの前を騒がず素通りできたんです。「次のとき何を買おう」という顔でじっくり眺めていましたが(笑)。〔Fさん、子ども3歳〕
▽「今日は50円のもの1個、次は買わないよ」と約束
3歳半ばくらいまでは、泣いて騒いだら速攻抱えてその場を去っていました。今は100円くらいまでのお金の概念は分かっているようなので「今日は買うけど50円のもの1個。明日は買わないよ」と約束させます。そしてその約束は必ず守る。もちろん親もです。「明日買う」と言ったら、買ってあげる。欲しいものが50円以上のときは少し泣きそうになりますが、「それはもう少し先の日に買ってあげる」と言うと落ち着きます。この方法を試してから、騒ぐことはなくなりました。〔Iさん、子ども4歳〕
▽とりあえずその場は抱きかかえて走り去ってから説得
2歳の娘、好きなキャラクターのお菓子が欲しくてたまらないお年頃…お菓子コーナーにはなるべく行かないようにしていますが、お菓子を見ちゃう=買うとなってしまい、「また今度ね」といっても、「買う~買うの~!」とそりゃもう大騒ぎ。そんなときは、スーパー(駅ビル)の階段の踊り場に抱きかかえて走り去り、説得。というより、気持ちをそらせます。「毎日お菓子食べてたら、お腹と歯が痛い痛いになっちゃうからね」と言いながら、とりあえず屋上でひと遊び。気持ちが切り替わったところでまた買い物に行き、なるべくお菓子コーナーに近づかず買い物をします(笑)。〔Uさん、子ども5歳・2歳〕
◇ ◇
…2~3歳ともなれば、ことばの理解も進んでくるころ。「はいはい」と適当にあしらったり、「買わないよ!!」とやみくもに怒鳴りつけるのではなく、しっかり言い聞かせれば、子どもなりに学んでいくかもしれません。子どもが欲しがりそうなものがあるところに近づかないのが一番なんですけどね…。
■「やりたくない!」を「やってみようかな」に変える言葉
「お風呂に入らない!」「食べない!」「寝たくない!」いちいち「したくない!」と反抗する時期は誰でもあります。それでもやるべきことはやらせたい…ママたちが使っている、やる気にさせる言葉とは?
▽助かるな~
ひとつずつの行動もゆっくり、行動が終わってもボーっとしたりおもちゃをいじり出したり…「早くね~」と声をかけても「やりたくないんだもん」とやる気ゼロの息子。そこで、「ちょっと早く着替えてくれたら助かるな」「そこのおもちゃ箱にしまってくれると助かるな」と、“助かるな”声がけ作戦に出ました。大好きなママに頼りにされている! という心がくすぐられたのか、前よりサクサク動いてくれることが多くなりました。相変わらず嫌いなお風呂は苦戦中なので、今作戦を練っているところです。〔Tさん、子ども6歳〕
▽やってみよう!と声をかけて、少し放置
「トイレ行きなさい」「歯磨きしてね」という私の言葉に毎回「しない!」と反論する娘。さらに私がジーっと見守っていると、かたくなに動かない。保育園の面談で、「Gちゃん(娘)は、割と自分から動くタイプ」と聞いたので、家でも「これ、やってみようか」と声をかけて、少し放置してみました。物陰から覗いていたら(笑)、けっこうちゃんとやっていたんです! あまり親が言いすぎたり、その場でジッと見られるのが嫌だったんでしょうね…。〔Eさん、子ども4歳〕
◇ ◇
…子どもにもいろいろなタイプがあるようですね。「負けず嫌い」「ある程度放っておいてほしい」など、わが子の性格に合った声がけを見つけるのも、効果的な方法かもしれません。
■「ダメ!」もときには必要な声がけ
「ダメ!」つい言ってしまう子の言葉も、ときには必要な声がけ。でも、「なぜダメなのか」を伝えることが大切です。ママたちはどんなときに「ダメ!」と叱って、その後どのようにフォローしているのでしょう。
▽危ない! と思ったら「ダメ!」はOKとしています
たとえ理由があったとしても、友達を叩いているのを目撃したら、速攻「それはダメ!!」と言います。その後、「友達、痛いしビックリするよ。嫌なことがあったら、ちゃんとお口で言おう」と説明します。道路で不用意に飛び出したりしたときも、「ダメ!!!!」とデカい声で怒りますね。言った後、もし車にぶつかったらどんなに危ないかを伝わりやすく説明してます。〔Iさん、子ども5歳・3歳〕
▽理由は端的に、伝わりやすい2~3語文くらいで
口をついて「ダメ!」はどうしても言っちゃいますね。でも、子どもは「?」という顔をしているときもあるので、幼児にも伝わりやすい2~3語文で説明していました。例えば、おもちゃを投げてしまったとき。「ダメ!」のあと、おもちゃを見せながら「当たったら危ない」「おもちゃも痛い」など。「ダメ!」と言う必要のないときでも思わず言っちゃうときもありましたね。で、説明しずらくて濁すことも(苦笑)。〔Aさん、子ども10歳・8歳〕
◇ ◇
忙しいと、言葉を言い換えたり、フォロー・説明するのはなかなか難しいですよね。でも、「ママが仕事に遅れるから」「ママが困るから」という気持ちはなるべくオフにして声がけするようにしたいもの。「子どもがどうすれば分かってくれるか」という気持ちで声がけできたら、子どもも少し変わっていくかもしません。
大切なのは、「短く伝わりやすく、子どもの心をくすぐる言葉」をかけてあげること、そしてできたらたくさん褒めてあげることなのではないでしょうか。それが定着すれば、子どもはもちろん、パパやママも日々の生活を過ごしやすくなっていくと思うのです。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)