溝に落ちていた子猫を保護 青い瞳にメロメロ、かけがえのない家族に…保護猫活動のきっかけに
■工場の溝に落ちていた子猫
エアちゃん(1歳・メス)は、2021年6月、工場の溝の中に落ちていた。大分県に住む大坪さんは、エアちゃんを発見した人から、「保護できないか」という連絡を受け、急いで同僚と一緒に現場に急行したという。
大坪さんはエアちゃんを拾い上げ、社内で一時保護した。エアちゃんは溝の中にいる時はシャー!と威嚇してきたが、拾い上げたら大人しくなったという。月齢は生後2ヶ月くらいだった。保護猫活動をしている上司が車にケージを常備していたので、そこに入れて毛布を被せると、人の死角になる場所でじっとしていた。そのまま上司がエアちゃんを動物病院に連れて行き、診察してもらったが特に異常はなく健康だった。大坪さんはエアちゃんを迎えたいと強く思い、また、他に引き取り手もなかったので里親になることにしたそうだ。
■初めての猫との暮らしで戸惑う
猫を飼うのは初めてだった大坪さん一家。上司に貸してもらったケージに入れて様子を見ていたのだが、エアちゃんはケージに入れた段ボールの中に隠れていて、ごはんを食べたり水を飲んだりする時だけひょこっと顔を出した。2日目になりケージの扉を開けておくと、自由に出入りして部屋の中を探検。大坪さんや家族にちょっかいを出すようになった。青い瞳で見つめられるとみんなイチコロ。エアちゃんのことが可愛くて仕方なかったという。
当初は電気コードや小物など、家の中にエアちゃんにとって危険なものが多く、一つ一つ気づいては片付け、猫が安全に暮らすための空間づくりに苦心した。
「住環境の整備も大変でしたが、いないと思ったら洗濯機の裏で寝ていたり、押し入れに入ったのに気づかずに閉じ込めてしまったりしたこともありました。3歳の娘に猫との接し方を教えるのも、どうしたらいいのか悩みました」
■抱っこが好きな甘えん坊
エアちゃんはすくすく育ち、かなりの甘えん坊になったという。
「トイレも風呂も寝る時も、必ずついてきてそばにいます。抱っこされるのも大好きで、家に誰もいない時間を作らないように、泊まりがけで出かける時は実母の留守番を楽しんでいます」
大坪さんにとってエアちゃんは家族。もうすっかりそこにいるのが当たり前になっているという。
「エアがいないと悲しいです。幸せに生きてほしいと思っています」
エアちゃんを迎えてから殺処分される猫のことや野良猫や捨て猫の悲惨な現状を知ったという大坪さん。今、保護猫活動をしようと考えているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)