「家にいるんだし、やらなきゃ」と変に使命感、夫婦間での分担でもモヤモヤ…在宅時間が増えて「家事ストレス」を感じる人たち

日ごろから「面倒だな」「誰かやってくれないかな」なんて思ってしまう家事ってあると思います。コロナ禍で在宅時間が増えたからこそ、「家にいるんだし、やらなきゃ」と家事を負担に感じてしまったり、ストレスに感じている人も少なくないようです。みなさんが抱えている「家事ストレス」について、リアルな気持ちを聞いてみました。

■コロナで暮らしが変わったからこそ…

▽家時間増えたゆえの「家事モヤモヤ」

リモートワーク以前は気がついたときに夫婦どちらかがやる、という感じの家事分担でした。やったらお互いひとこと「ありがとう」と声をかけるというルールのもと、割とうまくいっていました。今は主人が普通に外勤、私は週3リモートワークになり、在宅の日は「家にいるんだし」と、隙間時間につい家事全般をやってしまいがち。やればやるほど「私の負担大きくないか…」とモヤモヤしてしまうし、「だったらやらなきゃいいじゃん」と自分に言い聞かせつつ、在宅の日は勝手にモヤモヤしています…。〔Iさん、子ども4歳〕

▽家中モノだらけがストレスに

在宅ワークするようになって、テーブルや棚、タンスの上までモノがびっしり置いてあるのが目について「いつか片付けなきゃ」「ここはスペース確保したい」と思えば思うほどなぜかやる気がなくなり、仕事にも何となく集中できなくなり…という最悪なループにはまっています。いつか断捨離しなきゃ!と思う気持ちがストレスになっているような気がします。〔Yさん、子ども8歳・6歳〕

▽一つ一つの家事に「嫌い」があるのがストレス

家事が苦手!というわけではないのですが、それぞれの家事に嫌いなことがあって、それがストレスになっているかもしれません。たとえば…「洗濯物」畳む・しまうが嫌い/「掃除」掃除機の持ち運び・溜まったゴミ捨てが嫌い/「皿洗い」食器棚にしまうのが嫌い/「料理」作る工程はそれなりに好きだけど後片付けが嫌い(笑)…。友達には「なにそれ」と一笑に付されてしまいますが、これって私だけでしょうか…。〔Kさん、子ども6歳〕

■実際に行っている「家事ストレス」対処法とは

家事ストレスの感じ方は人それぞれです。性格やライフスタイルによって、ストレスの解消法や対処法もさまざま。ここでは、自分なりの対処法を見つけた人たちにお話を聞きました。

▽作り置きをやめた

「作り置きすると楽だよ」何人かのママにそう聞いたり、便利で簡単な作り置きを勧められたり。最初はやっていたし、「あ、意外と楽で便利」と思っていたのですが、だんだん作り置きすることに追われたりそれをストレスに感じたりするようになりました。自分にはその日に思いついた献立を作る方が性に合っているようで、作り置きはやめました。どうにも献立が思いつかないときや作る気力ゼロのときは仕事帰りに総菜を買う、生協のミールセットを活用する、など「料理に関してストレスを溜めない、罪悪感を持たない」ようにしています。〔Oさん、子ども9歳・6歳〕

▽DIYで洗濯物部屋を確保

晴れていればベランダに干せるのですが、雨の日の洗濯物が本当にストレス。在宅ワークが増え、部屋干しの臭い、干さっているものが見苦しく見える…なぜか今年は雨が多いようで、「うう!」となる日が多くて(苦笑)。そこで一念発起して、要らないもので溢れかえっていた物置を一掃。DIYで物干し竿を数本付け、物干しグッズを揃え、(さほど高くない)乾燥除湿器を買って洗濯物干し部屋に改造しました。日中洗濯物が目につかないというストレスフリーはもちろん、晴れていてもいきなりゲリラ豪雨という日もあるので、洗濯物干し部屋を作って大正解でした。ほかに何も誘惑物がない「洗濯物専門部屋」は、集中して干せるのか時短にもなっている気がします(笑)。〔Tさん、子ども8歳・5歳〕

▽ピンポイントで集中的に掃除する

以前は「何となく家を全体的に掃除する」という感じでした。毎日どれも中途半端で、どれも最初からやる気がしない(笑)。2階建ての戸建てということもあって、とにかく掃除機を家全体に持ち運びながら掃除する、というのが一番面倒くさかったですね。あるとき、「今日は寝室だけきれいにしよう」と決め、一部屋だけ掃除機をしっかりかけ、クイックルワイパーで磨いたら気持ちがすごくスッキリしたんです。その日から「全般やろうとせず、今日はここだけと決める」ことにしました。もちろん料理や最低限の洗濯はしますが、掃除に関しては「居間を掃除する日」「子ども部屋を掃除する日」あるいは「風呂場を掃除する日」などとピンポイントにやるようにしたら、面倒くささやストレスが減りました。〔Sさん、子ども11歳〕

■実は家事の前後に感じていた「隠れストレス」

家事にもいろいろありますが、その中でも大きな割合を占める「掃除」。⽣活の質を左右するポイントの一つといっても過言ではありません。部屋が汚くなっていくのもストレス、掃除機をかけるのもストレス…在宅時間が長くなったからこそ、いつも以上に「掃除」を意識してしまう人も少なくないようです。

パナソニック株式会社が全国の20歳~69歳の男女1100人を対象に、2022年3月に行った「⽣活環境の変化に伴う掃除に対する意識」調査によると、コロナ禍前と比べ「20時間以上在宅している」という回答が32%もアップしているということが分かりました。また、在宅時間が増えることで掃除に対する意識も変化しているのか、「掃除にストレスを感じない⼈ほど在宅中の満⾜度が⾼い」という傾向も見られたといいます。

また、「掃除に感じてしまうストレス」について具体的に聞いたところ、「掃除機本体を出すのが面倒くさい」「吸った後のごみの処理が億劫」といった回答が。掃除機をかける行為よりも、掃除機をかける前後に感じる「隠れ掃除ストレス」のほうが高いという結果が出たそうです。自分でも気づかぬうちに「隠れ掃除ストレス」を抱えてしまい、掃除という⾏為そのものが“⾯倒な義務″と捉えている⽅が多くいるのかもしれません。

   ◇   ◇

しないといけないこと「それ自体」よりも、前後の「作業」のほうが負担感が大きい…そんな家事は掃除以外にもきっとあることでしょう。すべての家事を頑張らなきゃと思うと疲弊してしまうし、すべてに手を抜いてしまおうと思うと、それはそれで罪悪感に襲われる…。家事をする上での気持ちと現実のバランスって難しいですよね。掃除を楽にしたいなら掃除機を買い替えたり、シンクに溜まっていく食器に辟易したら食洗器を買ってみるなど、すべてではなくひとつの家事だけでも便利家電に頼ってみるのもいいのでは。

「~~しない家事」を心がけたり、「やらなきゃ」と思っていたことを手放してみることで、今まで気づかなかった「隠れ家事ストレス」から解放されるかもしれません。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

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