側溝で暮らしていた猫家族を保護、黒い子猫を我が子に 面倒見が良く、預かりボランティアのパートナーとして成長
■側溝で暮らしていた親子猫
レイニーくん(2歳・オス)は、東京都のとある町の側溝でお母さんや兄妹と一緒に暮らしていた。雨が降った後は増水するからか2、3日側溝から出てこない日もあった。「ゲリラ豪雨が降ったら溺れて死んでしまうかもしれない」、そう思ったボランティアは子猫5匹を保護したという。母猫はとても警戒心が強かったので捕獲まで1年かかったが、今は里親のところで幸せに暮らしているそうだ。
東京都で、保護された猫の里親を探す支援をしたり、預かりボランティアをしたりしているSさんは、2020年6月、レイニーくんに出会った。
■100匹目に預かった猫
Sさんは猫の預かりボランティアをしているのだが、レイニーくんは100匹目の猫だった。預かって一緒に暮らすうちに、Sさんの中でだんだんレイニーくんがかけがえのない存在になってきた。
「もしこの子がいなくなったらと思うと、それは受け入れ難いことでした。レイニーは先住猫や保護猫の面倒もとてもよくみてくれたし、うまくやっていけると思いました」
レイニーくんは「漏斗胸」という先天性の病気を持っていたが、同じ病気を持つ猫を亡くした経験があり、無事に1歳を迎えられるのか心配だったということもある。10月には家族として迎えることにしたという。
レイニーくんはとにかく食いしん坊。箱に入っている食べ物も、箱を噛みちぎって食べてしまう。チュールも保存容器のふたをぎゅっと閉めていないと、自分で開けてチュールパーティーを開催する。
「何度か朝まで気づかず、朝になってギャー!と叫んだこともありました。食べ物の管理が大変です。でもレイニーは、好きすぎてゲットしたものを寝床に持ち込んでいるので、すぐにバレてしまうところも可愛いです」
■毎日、可愛いが増していく
Sさんのところには、次から次へと保護猫がやってきた。レイニーくんは包容力があり、子猫にそっと寄り添ったり、一緒に遊んだりして、人間が教えられないことを教えてくれた。
「レイニーは、人が怖くて仕方なかった子猫たちの心を解きほぐしてくれたり、家に慣れさせてくれたりしました。保護猫活動をしている私の頼れるパートナーでもあります」
しっかりしているようだが、レイニーくんは甘え上手でもある。
「用事をしているといつも見守るようにそばにいます。お尻をトントンしてあげるとニャーとお返事してくれるのも可愛いところです」
Sさんは、毎日可愛い気持ちがどんどん増していくので、用事や家事がそっちのけになってしまうことも。
「なでなでしたり猫吸いをしたりしてしまうので、ちっとも仕事が進まないのも困っていることです(笑)」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)