130個のクラゲ風鈴が織りなす「涼」 京都で過ごす夏、クラゲに囲まれて眠る極上ステイも
「あづい……」なんて言うまいと思っていても、言わずにはいられないこの暑さ。記録的な早さで梅雨が明けて以降、6月のうちから40℃を超えたり、地域によっては猛暑日が何日も続いていたりと、今年の夏はどうやら容赦がない。
こんな時には、やはり「涼」を求めるのが人のサガ。水辺が恋しくなる季節に合わせ、涼やかに海を漂う「クラゲ」をモチーフにした見た目にも身体にもひんやりするイベントがクロスホテル京都と京都水族館で始まった。
■クラゲ型グラスが楽しいフローズンパフェ
クロスホテル京都に併設されたレストラン&バー「KIHARU Brasserie」では夏の期間限定メニュー「シャリシャリフローズンパフェ~苺と白桃と~」(税・サ込1980円)を楽しむことができる。
白桃と練乳、濃厚な2種類の氷とフローズンの苺を削ったシャリシャリのかき氷を、パイナップルやレモン・キウイなど6種類のフルーツが彩る夏だけの特製パフェ。ぷよっとした質感を感じてしまいそうなほど、丸みがなんとも可愛いクラゲ型の器に美しく盛られて提供される。
このクラゲ型の器を制作したのは、新潟県の弥彦村でガラス作家として活動する野澤拓自さん。全国各地のガラス産地で修行したのち、2018年から弥彦村にガラス工房と店舗を構え「TAKU GLASS」を率いている。クラゲが自らの腕ですっくと立ち上がったようなデザインがじわじわくる。
まずはてっぺんの練乳&苺のかき氷をひとくち。ほんのり優しい甘さが広がる~!当然ながらひんやりしていて、暑気でしなしなになっていた身体のすみずみまで涼が染みわたる。フルーツ、桃のかき氷と次々食べ進めるが、材料は果物ばかりなので、さっぱりしていて黙々といけてしまう。カニを食べているときの夢中さに通ずるものを感じながら、気がつけば器のふちより上の部分は完食していた。
「残りが少なくなったらスパークリングワインをお注ぎできます」
なんだって....?断る理由などない。「ぜひお願いします」。丁重に依頼すると、ワインボトルを持ったスタッフが近づいてくる。まさかのフレンチスタイル!これ、なんでもスタッフこだわりの演出だそう。シュワシュワと泡立つクラゲさんをそっと持ち上げ、流し込む。ため息が出ちゃうよ、これは。美味しい。カクテルのベリーニを彷彿とさせる味わい、さきほどまでのフローズンパフェとはひと味違う。
季節ごとに限定メニューを開発するレストランスタッフの、フルーツポンチのようなものを作りたいというアイデアが形になったものだという。しかも考案したのは、フルーツアレルギーですべてのフルーツを食べることができないサービススタッフなのだとか。食べられないゆえ、人一倍の情熱がこめられたようだ。なお、スパークリングワインの追加には料金はかからない。「最後の一滴まで飲み干していただければ」と担当者は話す。
■クラゲに囲まれて眠る極上ステイも
もっとクラゲを堪能したい、涼やかさに囲まれたい、という方は「見上げる!MANTENくらげルーム」への宿泊プランも。90頭超えのオオサンショウウオに見つめられるという驚愕の「OH! san View Room」を手がけたクロスホテル京都の新たなコンセプトルームだ。
オオサンショウウオの超リアルなウォールステッカーを生み出したデザイン事務所「YOSHIDAKE」が描いたミズクラゲが、寝室だけでなく浴室やトイレなど室内のあちこちで涼しげに漂っている。ベッドに横たわれば、海の底から見上げているような感覚に浸ることができる。
このプランの宿泊者には「シャリシャリフローズンパフェ~苺と白桃と~」か、TAKU GLASSのクラゲ風鈴(※数量限定)のどちらかと、人数分の京都水族館入場券が用意されている。
さらに朝食では、このプラン限定のクラゲパンケーキプレートが提供される。五感ぜんぶで楽しめる、クラゲづくしのプラン。泊まって隅から隅まで満喫するもよし、レストランにふらっときて見た目でも味でも楽しめるフローズンパフェで涼をとるもよし。いろいろな楽しみ方が用意されている。
■130個のクラゲ風鈴が織りなす「涼」
クロスホテル京都から南へ下った梅小路公園にある京都水族館でも、関連イベントがはじまっている。2020年にオープンした「クラゲワンダー」に展示されている種を中心に、タコクラゲやパシフィックシーネットルなど21種類のクラゲをモチーフにしたガラス風鈴が約130個。「京の里山」エリアで、聞くだに涼やかで繊細な音色を奏でている。
こちらも「TAKU GLASS」によって手作りされたもので、1つ1つ形が違うため、音色も少しづつ違う。短冊には飼育スタッフによるクラゲにまつわる川柳が詠まれていて「クラゲの魅力を伝えたい」という愛に満ちている。
土・日・祝日と夏休み期間に開催される「夜のすいぞくかん」(※開催日は水族館のウェブサイトで要確認)の日には、17時以降クラゲ風鈴をライトアップ。昼間とは違った雰囲気の中、夜風に吹かれてゆらゆらと揺れる姿を見ているうちに、なんだか爽やかな気持ちになってくる。
京都を舞台にしたクラゲづくしの夏。どんなに暑くても、ひととき、ゆらゆらとしなやかに過ごすことができそう。
◇ ◇
「見上げる!MANTENくらげルーム」
場所:クロスホテル京都 京都府京都市中京区河原町通三条下る大黒町71-1
期間:2022/6/18(土)~9/5(月)
料金:1泊1室2名 34520円~(税・サービス料込)※別途宿泊税が必要
「シャリシャリフローズンパフェ~苺と白桃と~」
場所:KIHARU Brasserie 京都府京都市中京区河原町通三条下る大黒町71-1
期間:2022/6/18(土)~9/6(火)
料金:1980円(税・サービス料込)
「くらげと風鈴」
場所:京都水族館「京の里山」エリアほか 京都市下京区観喜寺町35-1(梅小路公園内)
期間:2022/7/1(金)~9/30(金)
料金:無料 ※別途入場料が必要
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