苦悩する米袋メーカー社長がSNSで「どなたかお知恵を」→アイデア殺到 5カ月で新商品を実現し「目まぐるしい」怒とうの展開
「どなたかお知恵を拝借できないでしょうか?」ーー今年2月、梱包資材メーカー「シコー株式会社」(本社、大阪市北区)代表取締役社長、白石忠臣さんが自身のTwitterに投稿したSOSが話題になりました。あれから約5カ月。Twitterで得られた人脈や知恵により新商品が完成し、さらには大阪・梅田にある阪急うめだ本店のイベント会場での販売も決まりました。とんとん拍子の展開に驚く白石社長に話を聞きました。
■なぜ?完成したのはシンプルな袋
白石社長の悩みは、約半年に渡る米袋製作の閑散期に、技術を生かし別の商品が作れないかというものでした。自身のアカウントでアイデア募集を呼びかけたところ、ツイートは拡散。国内外から50を超えるアイデアが寄せられました。
小売店の袋、ガーデニング用プランター、猫用おもちゃ、アウトドアグッズなど、さまざまなアイデアの中から商品化したのは、白地のシンプルな袋「よろず米袋 ベーシックモデル」(税込880円)。仕上げサイズ縦70センチ、横54センチ、底幅22センチのコンセプトは「入れる物を問わない大きなサイズを提案し、具体的な用途を購入してくれたお客様に委ねる」。真っ白な表面とは対照的に、裏面には取扱説明書を兼ねた「クスっと笑えるグラフィック」がデザインされています。
同社は7月27日から8月2日まで、阪急うめだ本店(大阪市北区)で開催される「HANKYUこどもカレッジ」にも出店が決定。会場の一つ、10階うめだスーク中央街区ではベーシックモデルのほか、イベント限定米袋「季節限定の特別デザイン」(税込1760円、ベーシック版と同サイズ)も販売します。また米袋を使ったリュックサック作りのワークショップも行います。
■社長「目まぐるしい5カ月でした」
2月にTwitterでバズり→新商品開発→7月には百貨店イベントに出店という怒とうの展開。白石社長に感想を尋ねると「目まぐるしい5カ月でした」と振り返り、「Twitterでバズること自体まず予想していませんでした。そこから阪急さんの催事から声がかかることも、デザイナーさんと協力して新商品を作ることも全て予想だにしたものではありません。一つ一つ起こった想定外を対応していった結果が今なのかなという感じです」と感慨深げでした。
現在は目前に迫ったイベント準備の真っ最中。「Twitterでバズったときにいろいろな方からアイデアを出して頂けたのが本当にありがたかったです。今回の催事は皆さんへのお礼という気持ちが強いです。そしてここまで社内外の仲間と一緒に進めてこられたことをうれしく思っています」とTwitterでの思わぬ反響に感謝するとともに、イベント成功への期待も口にしました。
ワークショップ「こめぶくろの学校 presents 『米袋で世界で一つのリュックを作ろう!』」はWEBでの事前予約制。日時など詳細は「HANKYUこどもカレッジ」公式ページへ。
(まいどなニュース・金井 かおる)