一目惚れして迎えた保護猫、まだ警戒して逃げられてしまうけど…慣れてもらうまで待つしかない
■野良猫の子猫兄弟
うるちちゃん(オス・生後10カ月)、もちちゃん(オス・生後10カ月)は、野良猫の母猫が産んだ兄弟だった。住み着いていた場所は、野良猫や地域猫にとって暮らしやすい地域ではなく、虐待される可能性もあった。カラスに襲われたこともあり、その地域で個人で保護活動をしているボランティアが「保護猫カフェ 和風桶猫喫茶」の店長に相談。保護することになったという。
兄弟は母猫に育てられ、カラスなどの外敵に狙われながら生活していたので、警戒心や恐怖心が強かった。
■撫でさせてくれない
奈良県に住む林さんは、夫が小さい頃から猫を飼っていたので「いつか猫を飼いたいね」と話していた。ただ、新築した家に引っ越したところだったので、家をボロボロにされるかもしれないと思い、しばらくはSNSで猫を見て楽しんでいたという。
「ペットショップで買う気はしませんでした。繁殖のやり方に疑問がありますし、飼うなら保護猫を飼いたいと思っていたんです」
2022年3月、林さんは「和風桶猫喫茶」がうるちちゃんともちちゃんの里親を募集していることをインスタグラムで見た。
「一目惚れしてしまい、これもご縁だと思って迎えることにしました。カフェに兄弟を見に行くと撫でることができ、即決しました」
6月、林さんは兄弟を迎えた。カフェでは撫でられたが、触ろうとするとピクッとして、後退りした。2、3日はごはんも食べず、水も飲まなかったそうだ。夜鳴きもひどかったので、林さんはカフェの人に相談することもあった。
■早く会いたい!仕事も頑張れる
2週間ほど経った今、兄弟はケージから出てくるようになった。しかし、近づこうとすると逃げてしまう。近づかないように静かにしていても、夫妻の近くを通る時は早足で通り過ぎるという。
「慣れてもらうまで待つしかありません。母猫譲りの警戒心や小さな頃に受けたトラウマを克服するのは大変です。うるちともちのような子が他にもいると思うと悲しくなります」
兄弟が夫妻に懐くにはもう少し時間がかかりそうだが、おもちゃで遊んだり、ケージの外で寝るようになった。林さんはその姿を見ると「私も負けないように頑張ろう!」と勇気づけられる。
2匹とも食べることが大好き。林さんがごはんの支度をしていると、近くまで寄ってくる。ただ、一歩でも近づくと逃げてしまうという。
「何をしていても可愛くて癒されるので、『早く会いたい』という気持ちから、早く家に帰れるように今まで以上に仕事を頑張るようになりました」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)