サッカー部問題の秀岳館高、報告された53件の「暴力行為」→「本来は『暴行罪』で捜査すべき事件」夜回り先生が指摘
熊本県の私立秀岳館高校が、サッカー部での暴行問題を受けて今年4月に校内アンケートを実施し、公表分を含め全校で53件の「暴力行為」を確認し、教職員15人を処分していたことが7月29日、分かった。県によると、報告書は7月26日に提出されており、この53件のうち、サッカー部での暴力行為は38件で既に同校が5月に公表している。この報告された「暴力行為」という表現について、「夜回り先生」こと教育家の水谷修氏が自身の見解をつづった。
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熊本県が、7月29日、秀岳館高校のサッカー部での暴力事件について、学校が提出した報告書の内容を説明しました。それによると、学校が全校生徒と職員に対して行ったアンケート調査で、53件の暴力行為があったことが確認され、警察によって書類送検され懲戒免職となったサッカー部コーチよる暴力行為だけではなく、それ以外にも暴力行為があったことが、報告されています。
秀岳館高校の関係者はもとより、熊本県、熊本県警は、何を考えているのでしょう。そもそも、「暴力行為」とは、刑法による「暴行罪」に当たるのではないでしょうか。なぜ、犯罪として捉えず、ただ「暴力行為」というかたちで事を納めようとするのでしょうか。学校は、生徒たちにとって、最も安全で平和な場所でなくてはなりません。そこで、行われた「暴力行為」。まして、権力者である教員から、弱い立場の生徒に対して行われた「暴力行為」。これは、まさに「暴行罪」という犯罪以外の何物でもないはずです。
それにもかかわらず、ただ、高校から報告を受けた内容を、そのまま記者会見する熊本県。許すことができません。なぜ、警察に通報して、この罪を犯した教員を訴えないのか。また、この記者会見を、熊本県警が知っているならば、なぜその捜査に着手しないのか。私には、理解できません。
また、理事長や校長以下、こんな最悪の事実を県に、自ら責任を取ることなく報告する。こんな学校が存在することが、私には理解できません。
お願いです。秀岳館高校にも心ある教員はいるはずです。熊本県にも、この程度の法律を知っている関係者はいるはずです。速やかに事実関係を熊本県警に話してください。また、これだけの数の暴力行為を、予防できず放置してきた、秀岳館高校の理事長、校長以下、管理職は、速やかに自ら職を退き、心ある残った教員で、新しい学校作りをしてください。
生徒たちは、弱い存在です。教員は、学校内では、絶対的な存在です。その教員が犯した罪は、きちんと犯罪として償わせ、生徒たちが、安心して学ぶことのできる新しい学校体制を作ってください。それが、できないようならば、今在籍する生徒たちを守りつつ、こんな高校は、廃校としてください。
忘れないでください。学校は、子どもたちが、安心安全にそして楽しく学ぶ場所であって、暴力によって子どもたちを、支配したり、傷つける場所であってはなりません。それがわからない教員や、それを容認した管理職は、永遠に教育の現場から離れ、自ら犯した罪を司法の場で償ってください。