ハンデを乗り越え、神戸の劇団ミュージカル公演が決定 指導監修は二枚目俳優、加納竜さん

 元アイドルで、二枚目俳優の加納竜さんは近年、演技指導者として、人材育成にも尽力している。特に力を入れているのがコロナ禍に旗揚げされた劇団「ルーチアットステラ321」の監修・指導だ。ダウン症児者等のメンバーで構成されていて、この8月7日、神戸文化ホール大ホールで第3回目の公演が決まった。今回は本格的なミュージカルにも挑戦するとのこと。加納さんに話をお聞きした。

■舞台は楽しいということを実感してほしい

 加納さんは1975年に「エロスの海」でアイドル歌手デビュー。松竹映画「愛と誠 完結編」に主演したり、ドラマ「西部警察」の刑事リュウ役を演じたりと、俳優としても長年にわたり活躍してきた。現在は大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科の「舞台芸術コース」の教授など指導者としての顔も持つ。

 最近は、神戸でダウン症児者等のメンバーによる劇団「ルーチアットステラ321」の旗揚げから公演の監修・指導にも力を入れている。しかし、ここ数年、コロナ禍で「思うような指導はできなかった」と加納さん。それでも、できるかぎり関西に足を運び、彼らの稽古を直接見て、アドバイスをしてきた。

 そんな加納さんの丁寧な指導は好評で、稽古場に取材にお伺いさせてもらった日も、懸命に稽古を見守る加納さんのまなざしは真剣そのものだった。

 「同じ舞台に立つ者として、彼らにもその楽しさや喜びを実感させてあげたいんです。そのためにも、しっかり稽古し、自分なりに努力した結果を舞台で出してほしいと願っています。だから、僕は全力で指導するんです。そして、頑張ってここまできましたので、ぜひ、皆さんには彼らの舞台を観ていただきたい」と、熱く語る加納さん。

■コロナ禍にも負けず、3回目の公演を開催

 旗揚げ後、コロナ禍で稽古もままならず、予定していた公演も中止になるなど、大変な時代を生き抜いてきた劇団「ルーチアットステラ321」。ようやく3回目の公演に辿り着いたことに、加納さんは「みんな、よくがんばってここまで来たと思いますよ」と感慨深げだった。

 実際にその稽古に立ち合わせてもらったが、今回も真剣な眼差しで稽古に励む「ルーチアットステラ321」のメンバーたちの姿があった。メンバーたちと一緒に加納さんも舞台に出演する。加納さんファンにも見逃せない公演なのだ。

 もちろん、ミュージカルの監修、指導は加納さん。ダンスの振付や構成などはこれまで加納さんとタッグを組んできたダンススクール「ミュージック・ボックス」や「大西正人エンターテイメントPro…」(本部・神戸市中央区)などを運営する大西正人さんが担当。また、演技や歌唱などの指導には多くのプロたちがかかわっている。

■彼らの夢の舞台、神戸文化ホール大ホール

 待望の公演「MUSIC BOX2022」(開場11:30、開演12:00/前売3000円、当日3500円/主催はミュージック・ボックス、大西正人エンターテイメントPro…)は、この8月7日、神戸文化ホール大ホール(神戸市中央区楠町4-2-2)で開催される。

 第1部は「劇団ルーチアットステラ321第3回公演&ミュージック・ボックス合同ダンスライブ」。第2部は「Pro…スタジオダンスライブ&エンターテイメントショー2022」。さらに第3部は「Pro… ミュージカル第4回公演」という構成。こちらは純真な王子と子どもたちによる愛とファンタジーの物語で、加納さんは王様役で出演する。

 8月7日の公演まであと数日、懸命にがんばって、つくりあげてきた彼らの舞台が待ち遠しい…。

(まいどなニュース特約・八木 純子)

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