「今日はニャンの日?」看板猫たちが毎日の記念日を紹介 貸本屋店主がSNSにほぼ毎日投稿する「4コマ写真」が人気

 宮崎市内にある貸本店「輝らら」の店主・吉谷千鶴子さんがほぼ毎日、SNSに投稿している看板猫たちの「4コマ写真」(基本は4コマだが、5コマや6コマの時もある)がひそかな人気だ。

 日本では毎日、さまざまな記念日が制定されているが、同店で看板猫を務めている茶白の「ピュア」(オス、16歳)とキジトラの「ココア」(メス、9歳)の2匹が、今日は何の日かを漫才風に紹介している。5年前から始め、吉谷さんによれば、これまでの投稿は1300本以上になるそう。投稿を見た人からは「ためになる」「クスッと笑える」などの声が寄せられている。吉谷さんに話を聞いた。

 吉谷さんは5年前から看板猫たちの「4コマ写真」をSNS(インスタグラムがメイン)に投稿するようになった。「『50円引きセールやってます』などと投稿欄にただ書くだけではなかなか読んでもらえないので、猫たちの写真の中に文字を入れ込んだら読んでくれるのではと思って始めたのがきっかけです。毎日、なにがしかの記念日があるでしょう。それをテーマに、猫たちがいろいろしゃべったら楽しいんじゃないかと」と吉谷さん。

 投稿を始めてしばらくすると、見た人たちから「会社の朝礼で挨拶するときのネタになり、助かった」「こんな記念日があるんだと勉強になる」などの反応が寄せられた。「そうした声を聞くと、僅かでも人の役に立てているようで嬉しくて。それでずっと続けるようになったんです」という。

■5年間で1300本以上を投稿 ストーリーやオチを考え、猫たちの写真撮影に臨む

 制作過程はこうだ。まず当日の記念日を調べ、だいたいのストーリーやオチを頭の中で考える。それから、猫たちの写真撮影に臨む。「ピュアは顔の表情が乏しいのでボケ担当。一方、ココアは怒ったり意地悪な顔をしたりと、表情がとても豊かなのでツッコミ役です。長くやっているので、私がカメラを向けると、猫たちは『今日もまた始まったよ』といった顔をしながら、カウンターの上でしばらくじっとしてくれます。昔からかぶりものや服を着せても全く嫌がりません。こちらが望む表情をなかなかしてくれない時もよくあるんですが、そこは猫ですから仕方ありません。そういう時は諦めて、その日撮れた表情に相応しいストーリーに作り変えます(笑)」

 吉谷さんによると、この5年間で1300本以上を投稿。「プロの方がみたら、なんだこれって思われるかもしれませんが、素人なのであんまり深く考えず、気楽に作っています。出来はいまいちだけどまあいいか、という感じでゆるーくやっているのが、長く続けられている秘訣かもしれません」

 元々、同店にはピュア、ココアのほかに、美しい白猫の「チビ」(オス、15歳で没)がおり、看板猫3匹体制でお客さんを接客していた。3匹とも保護猫で、チビはピュアやココアの育ての親でもある。「チビは親分肌でキャラも濃かったので、主役に据えるとストーリーを作るのが楽でした」

 そのチビは2020年9月、老衰のため天国へ。ペットロスでしばらく投稿を休んだが、「残った2匹で、チビの分まで頑張って続けていこう」と再開した。

 時折店には子猫を保護し、里親を探している人が訪れることもある。そんなときは、4コマ写真の中にその子猫が「ゲスト出演」。そうした投稿がきっかけで、新しい飼い主が見つかったことも何度かあったそう。

 今年5月には地元の新聞でも紹介され、インスタグラムのフォロワーが増えた。「『ためになった』『ほっこりした』などといった感想をいただくとすごく励みになります。それが毎日の原動力になっています。これからもクスッと笑ってもらえるような投稿をしていきたいです」と吉谷さんは意気込んでいる。

(まいどなニュース特約・西松 宏)

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