先代猫の四十九日に現れた2匹の子猫を保護→保護猫活動を支えてくれる頼もしい猫に成長
■ミーミーと鳴いていた子猫たち
みいちゃん(オス)、ちゃあちゃん(メス)は3歳3ヶ月。2019年5月27日、まなねこさんが発見した。まなねこさんは、網戸にして空気を入れ替え、娘さんと晩御飯を食べようとしていた。すると、外から「ミーミーミーミー」という子猫の鳴き声が聞こえてきたという。二人で見にいくと、家と家の間で2匹の子猫が支え合うようにしていた。しばらく見守っていたが、母猫の姿は見当たらず、家にあった猫のごはんを持ってくると、お腹が空いていたのかガツガツ食べ始めたという。
まなねこさんは捕獲器を持っていなかったので、その日は捕獲をあきらめ、翌日、保護活動をしているAさんに捕獲器を借りた。捕獲器を使うのは初めてだったので、使い方も教えてもらったそうだ。夜になると、また同じ場所で子猫が鳴いていた。捕獲器をセットしたが、なかなか入らず、子猫はものすごいスピードで走り回って逃げた。
「お願い入って!」と祈るような気持ちだったまなねこさん。子猫たちは右往左往していたが、やっと1匹保護することができた。「残る1匹の保護は、その日は諦めました。翌朝、『お願い、出てきて』と思い捜索してみたら、側溝の中で光る二つの目と目が合ったのです」
側溝の中にいた子猫は、「はっ!見つかっちゃった!」という目をしていた。捕獲器をセットすると縦横無尽に走り回ったが、なんとか保護。「みー!(ここにいるよ)」と鳴いて居場所を知らせてくれた猫をみぃちゃん、側溝に隠れていた少し毛の茶色い子をちゃあちゃんと名付けたという。
■先代の生まれ変わりのよう
まなねこさんは、2018年の秋にストレスで潰瘍性大腸炎を患って、毎日鬱々と過ごしていた。心配した夫が、「猫を家族に迎えよう。きっと気持ちも前向きになる」と言ってくれた。初めて譲渡会にいき、2019年2月、小さくてヤンチャな黒猫のケンちゃんを家族に迎えた。
しかし、幸せも束の間、ケンちゃんはFIPを発症。家に来てから1ヶ月ほどで亡くなった。その後、まなねこさんは、他の子を迎える勇気や気力が湧かず、しかし、ケンちゃんの保護主の手伝いをすることにした。ケンちゃんの四十九日に現れたのがみぃちゃん、ちゃあちゃんだった。白黒のハチワレ猫だったので、ケンちゃんが2匹になって戻ってきたようで、迷わず保護することにしたという。
■助けられたのは私
まなねこさんは、子供が二人増えたように思っている。可愛くて目が離せず、育てる責任感もある。
「ものすごく大変なのですが、それがまた楽しくて仕方ありません」
2匹を保護したことをきっかけに、本格的に保護猫活動を始めたまなねこさん。2匹ともまなねこさんのところにくる保護猫たちの面倒をよく見てくれる。みぃちゃんはとにかく優しく、保護猫たちの良きお兄さんとして慕われている。ちゃあちゃんは、上下関係やルールをしっかり教えてくれる先生のような存在。まなねこさんの保護猫活動を支えていてくれるという。
2匹とも家族が大好きで、夜寝るときはまなねこさんと同じベッドで寝る。
「私の足の間にすっぽりハマるのがお気に入りなんですが、仲良く収まっているのは稀で、『僕が先だった』、『私もそこがいい』と取り合いの戦いをしていることの方が多いです。他の保護猫がいるとおもちゃを譲ってしまうような優しい子たちなので、寝室にいる時は2匹だけの時間。目一杯遊んでいます」
すっかり元気になったまなねこさん。
「みぃとちゃあを助けたつもりが、今では私の方が助けられていると感じます。ありがとう、これからもよろしくね!」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)