畑の中でうずくまっていた猫を保護、先住猫たちと徐々に仲良くなり…生涯の相棒を見つけた!

■畑の中でうずくまっていた猫

おはぎちゃん(1歳3ヶ月)は、2022年4月2日、京都府のとある畑の中でうずくまっていた。猫の保護施設を運営する、まなねこさんは実家に行った時、隣の畑にいたおはぎちゃんを発見。よく見ると左目が傷ついて膿が出ていたので、保護することにしたという。

まなねこさんは突然のことで何も持っていなかったので、急いで実家の猫のキャリーケースを持ってきて、チュールで誘き寄せて保護した。

「おはぎは、こんな方法で保護できるほど人なれしていました。小さかったので子猫だと思っていたのですが、獣医さんに1歳くらいだと言われました」

左眼は失明していて、これ以上良くも悪くもならないという診断。小さい頃の猫風邪か喧嘩で負った傷が原因だった。

■ずっとのおうちを探してあげたい

隔離期間が終わり、先住猫たちと対面させると、お互い威嚇と喧嘩が絶えず、再び隔離するしかなかった。

問題はそれだけでは済まなかった。数日後、急に嘔吐と下痢、食欲不振になり、動物病院に連れて行くと、左の腎臓が小さくて機能していないことが分かった。病気というわけではなく、下痢も嘔吐も数日後には治ったが、左眼の失明に加えて左の腎臓が機能していないとなると譲渡するのが難しかった。

「うちで生涯面倒を見るしかないと思いましたが、おはぎのことを思うと、今まで頑張って生きてきたんだから、おはぎを受け入れてくれる、おはぎだけのお家を探してあげたい。そこで暮らしてほしいと強く思い、里親さんを探すことにしたんです」

■おもちちゃんとの出会い

人には慣れていたが、猫にも慣れさせないとますます譲渡先の候補は少なくなる。そう思ったまなねこさんは、1日数時間ずつ先住猫とおはぎちゃんを対面させた。

すると、おはぎちゃんを保護する2ヶ月ほど前に保護したばかりのおもちちゃん(1歳5ヶ月)と、ある日突然仲良く遊ぶようになり、その後はトントン拍子に他の子とも仲良くなり、すっかりみんなに馴染むことができたという。

おはぎちゃんとおもちちゃんは日に日に一緒にいる時間が長くなり、最近ではよく一つのクッションの上で猫団子になっているそうだ。

■2匹一緒に引き取ってくれる里親を募集中

まなねこさんは、おはぎちゃん、おもちちゃんを別々に譲渡するつもりだったが、おもちちゃんをキャリーに入れたら、おはぎちゃんが「どこに行くの?」としきりに鳴いた。譲渡会場では、人馴れしているおはぎちゃんに支えてもらうように怖がりのおもちちゃんがくっついていた。おはぎちゃんは、そんなおもちちゃんをグルーミングして落ち着かせてあげた。

「おはぎはおもちを守るナイトのようでした。2匹の仲の良さ、信頼関係を目の当たりにして、これはもう2匹一緒に譲渡するしかないと思いました」

成猫で保護したにも関わらず、とても人懐っこいおはぎちゃん。名前を呼べばそばに来てくれるし、自ら膝の上にも乗ってくれる。まなねこさんは、2匹一緒に同じ里親のもとで暮らしていけるようサポートして行くという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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