巨額投資トラブルのTKO木本 「関与していない」の説明も、紹介料が発生していたら…元刑事が共犯関係の構図も指摘
お笑いコンビ「TKO」の木本武宏(51)が巨額投資トラブルに関連し、出演番組の打ち切りや所属事務所の退所など影響が広がり、この件に関する報道が過熱していることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が当サイトの取材に対し、今後の展開についての見解を示した。
報道によると、木本が所属事務所の後輩、他事務所の芸人、出演しているテレビ局のスタッフらを投資に勧誘。その中には1000万円以上の投資をした人もおり、集めた出資金は総額7億円以上にのぼるという。木本側は、自身は資金を直接運用しておらず、運用を託した投資家を芸人仲間らに紹介していたとしている。
小川氏は「投資詐欺容疑に木本さんが関与しているのではないかという報道が出ています。木本さんや仲間の人たちが金を預けたものの、連絡が取れなくなった男性が『無登録業者』だったと報じられている。金融商品取引法(金取法)では、出資者の金を投資に使う業者は財務局などへの届け出が義務づけられている。その義務づけられている『「登録』をしておらず、また、実態のない運用をされていることも考えられるため、刑事事件に発展する可能性が出てきた。無登録者は金商法違反、さらには出資法違反になります」と解説した。
焦点として指摘される「木本も罪に問われるのか」という点について、小川氏は「私の推測になりますが、木本さんが友人を業者に紹介だけして、それで終わるはずもなく、実際に儲(もう)かっているということを話して、『俺がつないでやるよ』などという話をしているかです。木本さんの場合はどうなのか分かりませんが、そこで詳細な儲(もう)け話をしていて、手数料や紹介料が発生していれば、無登録者と共犯関係になってもおかしくはない。あるいは、あくまで『善意』として、自分が儲(もう)かっているから、仲間にも儲(もう)けさせてあげようということからやっているのか。そのあたりが今後、判明していくか注目されます」と説明した。
その上で、小川氏は「木本さんは業者から、紹介時の手数料や謝礼等を受け取っていないとしている。もし、受け取っていれば自身も無登録で勧誘したとみなされる可能性もある。『全く関与していない』と言っても、言葉の中に『元本保証とか絶対に儲(もう)かる』等の話はなかったのか。木本さん自身が全く関与していないのに、友人が数千万円ものお金を投資するのかということです。投資先の人物が、そのお金を託された投資に使うのではなく、自分の趣味や借金返済など個人的な目的で使ったら詐欺罪になります。このことを木本さんが知っていたかどうか」と今後のポイントを指摘した。
こうした事件は多発しているという。
小川氏は「一般的な投資詐欺の話になりますが、よく使われる言葉の『元本保証』。必ずお金は帰ってきますよということ。例えば月2%保証と言われると、それはそれで、ありえると思ってしまう。100万円投資したら月2万円の配当、つまり年利24%となって、相当儲(もう)かっているという意識になるが、4年間で96万円配当であり、投資した金額にも満たない額である。その時点で、口コミや紹介で投資者は増え、投資金額もかなりの額になっている。通常、3-4年でパンクし、お金を持ち逃げされた等々、詐欺師の常套句である。その内、金を託した業者と連絡が取れなくなる。これが一般的な投資詐欺です。
私もいろいろな方から投資詐欺の相談を受けています。実際にお名前を聞くと誰もが知っているような有名な芸能人も1億円以上の被害に遭って、所属事務所からの相談を受けているところです。『うまい話にはウラがある』 ことだけは忘れないでもらいたい」と付け加えた。