不安と孤独…コロナ陽性で39度の高熱、激しい頭痛と腰痛、意識もうろう 1人暮らしのわたしが自宅で療養した10日間

7月下旬のある夜、数日前に会ったばかりの友人から「発熱した」と連絡が来た。結果的に友人はコロナ陽性。わたしも友人から数日遅れて案の定発熱した。わたしは女性、20代後半、ライター、持病なし、1人暮らしのコロナ療養について、備忘録として残そうと思う(いずれも個人の症状、感想です)。

■発覚と現在の体調

友人と会った次の日、温度を低くし過ぎたクーラーの部屋で寝てしまったときのようなのどの違和感を覚えた。それからほどなくして友人が発熱。その連絡を受けた2日後にわたしも発熱し、陽性と判定された。その後は頭痛、腰痛、咽頭痛、咳と痰、鼻づまり、味覚障害が待っており、結果的に3日ほどで咽頭痛(代わりに咳が出始めた)、5日間ほどで発熱と頭痛がおさまった。しかし、熱が引いてから10日間ほど経った今でも倦怠感と咳、鼻づまりには悩まされている。

■具体的な症状の経過

予約して受診した発熱外来では抗原検査をおこない、その場で陽性と判明した。診察にあたってくれた先生は、少し機嫌が悪いようにも見えた。確かに、これだけ感染者が急増していて、毎日自身も感染と隣り合わせで検査を繰り返していると思うと気が滅入るだろう。医療ひっ迫に拍車をかけてしまったことに申し訳なさが押し寄せた。医療従事者の方々、いつもありがとうございます。

発熱について。友人は37度台まで発熱したものの、その後1日で熱が下がったという。それを聞いて「わたしも1日でおさまればいいな」と安易に考えていたが、見る見る間に熱が上がっていき、発熱から3日目には39度台にまで上昇した。

解熱剤を飲んでも熱と頭痛はおさまらず、悪寒も増してきて、夜中は数時間おきに腰痛で目が覚める始末。女性ならわかると思うが、生理痛のときの腰痛を3倍にしたような痛みが襲ってくる。療養中は生理でなかったが、なぜかお腹周りと腰が異常に痛く、39度の熱とダブルパンチでまともに寝られず精神的にもつらい日々が続いた。

さらに、動けないことに加え食欲もなかったので、少なめに食事を摂って解熱剤を飲んでいたら胃が荒れて嘔吐してしまい、まさに満身創痍。ダメ押しで襲ってきたのが、口のなかの異常な苦みだった。調べてみると味覚障害の一種らしく、食べ物の味はするのだが常に口が苦いのはシンプルに不快だ。それは1日でおさまったが、熱が引いてから何を食べても味がしなくなり、後遺症への不安が募った。

■1人暮らしならではのつらさ

1人暮らしのコロナ療養で個人的に1番つらかったのは、高熱の時に近くに誰もいない孤独感だった。家族や友人、職場の人々が心配して連絡をくれたのがとても心強かったし、保健所からの電話では「おひとりで療養されて心細いと思います。何か体調で不安な点があればお気軽に電話してくださいね」と言ってくれて涙が出た。

その次は、家事をする大変さ。着るものがなくなって、もうろうとしながら洗って干した洗濯物、スプーンと箸がなくなってフラフラでやった食器洗い、散乱してく部屋…。誰にも頼れないのは精神的にも肉体的にもつらいものがあった。

また、食料などの物資調達も1人暮らしだと難しい。幸い、わたしには数駅離れたところに両親、自宅のすぐ近くに別の友人が住んでいるので食料を差し入れしてもらった。しかし、わたしと同タイミングで発熱した友人は近くに頼れる人がいなかったため、市町村の物資支援を利用したほか、追加でAmazonでレトルト食品の詰め合わせを購入して暮らしていたそうだ。

■あってよかった、便利アイテム

体温計など必要不可欠なもの以外で、あってよかったものを挙げようと思う。

・冷却シート…額以外にも首などに貼るとひんやりして気持ちいい

・保冷タンブラー…数時間保冷してくれるので、ベッドサイドテーブルに置いてすぐに冷たい飲み物が飲める

・28度以下で凍結するネッククーラー…冷房がついた部屋なら室温でも冷たくなるので体温を下げるのに便利

・使い捨てのカトラリー…1人暮らしだと家にある箸やスプーンの本数が少ないので、食器洗いを避けるためにも使い捨ては重宝する

・パルスオキシメーター…血中の酸素飽和度が測れる機械。どれくらいひどい症状になったら保健所に連絡する(場合によっては救急車)という目安が自分1人で判断しづらかったので、数値で確認できるのは気持ち的に楽だった

続いて、食べ物類。喉の痛みや体調によって喉を通りやすいものの違いはもちろんあるだろうが、わたしは咽頭痛がそこまでひどくなかったので個人的には以下の食べ物に助けられた。

・カットフルーツ…皮が剥いてあり、すぐに食べられることが重要(缶切りがない場合もあるので缶詰でない方が無難)

・キリンのソルティーライチ…塩分が補給できるほか、味覚障害で味がしないときに甘味だけは感じられたので気持ち的に助かった(スポーツドリンクより比較的甘め)

・ヨーグルトやゼリー類…ツルっとしていて冷たいので喉を通りやすい

・アイスクリーム…個人的にはパピコに助けられた。スプーン必要なし、食べるのが遅くても棒アイスのように垂れてくることもない!

・大量の飲み物…ドリンク類は本当にすぐ無くなるので箱で注文するのもよいかと

・レトルトのお粥やおかず…最悪チンしなくても食べられるものだともっと良し

ヨーグルトはゼリーに比べて賞味期限が短めなので、大量にあると食べきれない可能性あり。ゼリーは常温で保管できる商品も多いのでおすすめだ。

さらに、単身用の冷蔵庫は十分な空きスペースがない場合も。もしこれから1人暮らしの患者に差し入れに行く方は、冷蔵庫の空きスペースを事前に確認、持っていく食品は賞味期限が長めのものを選ぶと良いかもしれない。

また、冷蔵庫のスペースという点も含めて、常温で保存できる調理不要のパウチ食品が活躍した。発熱中は食器洗いをするのがつらいし、夏場ということもあり使ったあとの食器類をシンクに溜めることに抵抗があったので、パウチから使い捨ての箸やスプーンで直接食べるのが一番効率的だった。少々行儀は悪いが、そうも言ってられなかったのだ。

◇ ◇

体が丈夫だと自負していたが、こんなにつらい自宅療養は初めてだった。発熱や咽頭痛など症状が風邪と似ている部分もあるが、39度の高熱と頭痛・腰痛で寝られない日が続き、鼻詰まりと咳がひどく息がしづらい、味覚に異常が起こる、その後の倦怠感などを踏まえると、従来の「風邪」とはまったく別物だと感じた。

また、パルスオキシメーターで計測した際の数値が96くらいまで下がっていたとき、若くても重症化する可能性があると自覚した。「自分は大丈夫」と過信せず、保健所に連絡、あるいは救急車を呼ぶことも選択肢として頭に入れておくべきだろう。コロナの際の救急車を呼ぶ目安など調べればすぐに出てくるので、罹患された方は体調の変化や症状に注意しつつ、療養に専念していただきたい。

(まいどなニュース・門倉 早希)

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