「誰かに頼られる、甘えられるって幸せなんだな」…ひょうきん者とツンデレ、2匹の保護猫と暮らして実感したこと
ちょびくん(オス・1歳3カ月)とジョアちゃん(メス・1歳3カ月)は兄妹。2021年6月、千葉県の動物愛護指導センターにいたという。センターでは保護の経緯を聞くことはできないが、他の2匹の兄弟と一緒に保護されたという。
センターも殺処分は避けたいので、保護活動をしているAさんのところに引き取り依頼の連絡があった。兄弟姉妹はAさんが世話をして、やがて譲渡会に出るまでになった。
関東圏に住むTさんは、いつか猫を飼いたいと思っていたが、特に探していたわけではなかった。しかし、2021年8月、何気なく開いた譲渡サイトでちょびちゃんを見つけ、心惹かれたという。
「白黒猫は柄の出方がそれぞれ違っていて、唯一無二なので好きなんです。保護主さんが兄妹一緒に引き取ることを希望されていたので、2匹迎えました」
■家の中には危険がいっぱい
ジョアちゃんは、女の子だからかとても神経質で、初日はわずかな隙間に入って何時間も出てこなかった。
「その後も数カ月間は触ることができず、なかなか爪切りもできませんでした。ケージに入れる時も毎回苦戦しました」
2匹ともまだ子猫だったので、スマートフォンの充電ケーブルを噛みたがったりキッチンのシンクの排水溝に興味を持った。
「実際に目の当たりにしないと気づかなかった危険が家の中にたくさんあることに気づきました。対策が大変でした」
■保護猫、保護犬を迎えることが世の中のスタンダートに
ちょびくんはひょうきん者で甘えん坊。1日に何度も抱っこをおねだりしてくる。ビビリで人見知りするが、一度も人にシャーしたり噛んだり爪を立てたりしたことはない。優しいところが魅力なんだという。
ジョアちゃんはちょびくんと違ってあまり甘えないが、たまに膝の上に乗りたいと言ってくれると嬉しいのだという。普段は同じ場所から数時間くらい動かない大人しい猫だが、ごはんの督促をする時に全力で鳴いたり、おもちゃで遊ぶ時の俊敏さに動く。そのギャップにTさんはギャップ萌えしている。
「猫を飼って、誰かに頼られる、甘えられるって幸せなんだなと思いました。毎日何かと笑わせてくれるので、笑顔でいることが増えたように思います。猫たちはしゃべって私たちに意思を伝えることができないので、『この子は何をして欲しいのか』とよく考えるようになり、自然と他者の気持ちを推し量るようになったかもしれません」
Tさんは、保護猫、保護犬を迎えることが、もっと世の中のスタンダートになってほしいと思っている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)