漁港で釣り針が刺さった野良猫を発見 釣り客の魚を食べた? 動物愛護団体「釣り針の付いたまま魚を与えないで」と注意喚起
「釣り針が口元に刺さった野良猫を助けたいので捕獲してほしい」
こんな連絡が長崎市の動物愛護団体「R&G長崎の保健所の命を救う会」の代表でプロアニマルレスキュー隊の浦川たつのりさんのところに入りました。依頼された場所は、長崎県諫早市のある漁港。浦川さんが現場に駆け付け、近くの倉庫から出てきた野良猫を捕獲しようとしたところ、既に釣り針が取れていたといいます。
浦川さんによると、野良猫には目立ったけがはなかったものの、漁港近くでは釣りのシーズンなどに釣り針が刺さってけがを負う猫が多発するとのこと。「釣り客が野良猫に釣って要らない魚を与えたりしているので、野良猫が釣った魚を狙ったりしています。釣り糸を切って釣り針が付いたままの魚を放置していると誤って食べてしまって、これまでも針り針が刺さる事故が起きています。釣り客の方は釣り針の付いた魚を放置しないように釣りを楽しんでいただけたらありがたいです」と話します。
■3本針の釣り針が右頬の口元に刺さっていた黒猫 目立ったけがはなし
連絡を受けたのは、8月11日午前。前日の10日に漁港近くに遊びに訪れていた人が3本針の釣り針が右頬の口元に刺さった野良の黒猫を発見して、捕獲を試みましたができず。翌日に捕獲依頼をしたそうです。
浦川さんが11日午後に現場に駆け付け、野良猫たちのことをよく知る地元の人に協力を得ながら釣り針の刺さった黒猫を捜索。倉庫の中から黒猫が出てきたといいます。
「餌をもらえると思ってか、自ら寄ってきてくれた黒猫。釣り針が刺さって毛が抜けたのか口元が少し白くなっていましたが既に釣り針は外れていました。どうも自分で外したようです。黒猫のほかに黒い子猫や白猫などもおり、黒猫と子猫は親子だったらしく。黒猫はお乳が張っていたので授乳中の母猫で、おそらく1歳~2歳の若い猫ちゃんだったと思われます。白猫は父猫かもしれません」(浦川さん)
■釣り客が多い漁港近くなどで、猫の釣り針事故多発中
今回は釣り針も外れて、目立ったけががなかったことから黒猫を捕獲しなかったそうです。とはいえ、これまでも釣り客が多い漁港近くでは釣り針が刺さった猫の事故が絶えず、浦川さんはこう訴えます。
「連絡をしてもらった方が撮影した黒猫の写真を見ると、口元に刺さった釣り針に釣り糸が少し付いていました。やはり、釣り糸を切られた釣り針が刺さったままの魚をくわえて事故が起きたのかと推測します。釣り客の方にお願いなのですが、魚を釣り上げたときに離れたところではなく、手前の方に釣り上げてほしいです。釣り上げた魚を遠くに置いてしまうと、猫が近付きやすくなるので。また魚をあげるときには針を外して与えてくれたらうれしいです」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)