アメリカや中国、韓国に遅れるな! 日本のeスポーツ発展に寄与する業界初のプラットフォームが誕生

 コンピューターゲームの対戦競技「eスポーツ」の普及に努める国内最大規模の団体「一般社団法人全日本青少年eスポーツ協会 / Gameic」(前川友吾代表)は、eスポーツのコミュニティ大会の開催から収益化までをワンストップで実現する初のプラットフォーム「EventPark」の提供を開始した。大会主催者とプレーヤーの環境を整えることで、出遅れている日本のeスポーツ発展に寄与したい考えだ。

 これは画期的なシステムといっていい。大会主催者と企業をつなぐEventParkができたことで両者にメリットが生まれ、国内eスポーツが飛躍的にレベルアップすることになるからだ。

 というのも、eスポーツにおいては大会を主催する側も実際にプレーする人も10代半ばから20代前半のアマチュアが大半。Gameicの山崎由起子理事は「これまでは大会を開くのも大変だったし、開いたとしても持ち出しが多く、持続的に開催するのが容易ではありませんでした。このシステムを活用すれば、大会を活性化でき、eスポーツで稼げるような経済圏が創出できるのではないか」と意気込む。

 何よりも大会主催者が求めているのは、プレーヤーが楽しめるような大会を開催すること。それによってプレーヤーはレベルアップでがきる。しかし、これまでだと、ある大会では少ない小遣いを出し合って賞金にあてたり、また、ある大会では廃棄予定のピーマンを安価で購入し、賞品代わりにするなど、涙ぐましいケースもあったと言う。

 しかし、これからは、そんな心配はいらない。EventParkに登録すれば、スポンサー営業などの煩雑な業務はGameicが代行。大会を簡単に、スムーズに開くことができる。山崎理事は「実はプレーヤーは人材の宝庫なんです。大会を支援するスポンサー企業にとっては認知度アップにもつながり、eスポーツに力を入れていることでリクルートにも有利に働く」と相乗効果を期待する。

 実際に、業界内ではeスポーツイベントに協賛した物流企業「日立物流」に対する若者の認知度は8%から40%にアップしたとの報告もあり、清涼飲料水「眠眠打破」の常盤薬品などは将来を見越して、大会を支援し、積極的なサンプリングを展開している。

 Gameicは高校、大学など計720以上の団体、2万7000人超の会員を抱え、国内eスポーツ協会としては最大規模。プロライセンスを発行する「日本eスポーツ連合(JeSU)」とは異なる領域で活動を展開している。

 つまり、Gameicはより現場に寄り添っており、今回の取り組みを例えるなら数ある草野球大会を統轄し、大会を活性化するための企業スポンサーを募集。さらに試合の公式記録を残すなどし、大会や主催チームの成長や強化を促していくようなもの、と言っていいだろう。

 山崎理事は「わたしたちのプラットフォームを知ってもらい、使ってもらうのが何より。大会は自分たちで企画し、わたしたちはそれをサポートする立場」と話す。

 もちろん、eスポーツは大きな可能性を秘めており、参加人口はなんと世界で約27億人。アジア大会の種目にも採用され、将来はオリンピック種目になるとも言われている。市場規模も1000億円を突破。世界大会では賞金総額約44億円、優勝賞金は約20億円になるなど、テニスやゴルフの4大大会をも超える規模にまで急成長している。

 一方では、ひきこもり問題解決や認知症予防効果、障害者スポーツという面でも期待されており、Gameicも社会還元や社会問題の解決へ向け、積極的に関わっていきたい考えだ。

 しかしながら、現在の日本の立ち位置はアメリカ、中国、韓国と比べると大きく水を開けられているのが現実。国策としても強化して行く必要があると言われている。その意味でも、このEventParkが果たす役割は大きそうだ。

 Gameicの前川友吾代表は「eスポーツはまだまだ発展していくので、初めての人でも参加しやすいように大会や環境を整備していくことが大事だと考えています」と力説。その上で「eスポーツを楽しむ人、プロを目指す人、スポンサー企業の方々に、分かりやすい情報を発信し、eスポーツが人々の役に立つことを証明することがわたしたち協会の役目だと思っています」と話している。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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